長崎・波佐見町
~ 海の幸と陶芸楽しむ宿 ~

“焼き物の町”長崎県波佐見町で、陶芸体験ができる民泊を始めた松﨑康則さん(66歳)と久美さん(65歳)が主人公です。
康則さんは波佐見町の出身。この町では、主要産業である焼き物作りに、分業で多くの人が関わっていて、松﨑家も原料となる土を仕入れ、機械と型で器の形成をする仕事をしていました。康則さんは高校卒業後、長崎市の造船所に就職しますが、久美さんとの結婚を機に帰郷し、家業を継ぎます。次第に「せっかく波佐見町にいるなら、自分の器を焼きたい」という思いが芽生えた康則さん。久美さんと共に絵付けやろくろを学び、窯を構えて、趣味で焼き物工房を始めました。工房は夫婦の名前から一文字ずつ取り「美のり窯」と名づけました。個性的な絵柄の器が評判を呼び、徐々にご夫婦の工房が知られるようになると、思いがけず民泊の話が舞い込みます。「波佐見焼の良さを知ってもらう機会になれば」と引き受けることを決め、2014年に、陶芸体験ができる民泊を始めました。
民泊「美のり窯」で焼き物と共にもうひとつ人気なのが、長崎の新鮮な海の幸を使った食事。釣りが大好きな康則さんが自ら船に乗ります。この日は、ちょうど旬を迎えた鯛を狙います。
“焼き物の町”で「自分たちの器を作りたい」と一念発起。さらに民泊を始めたことで、焼き物と故郷への愛着を強くしたご夫婦の、充実した第二の人生を紹介します。



康則さんは機械で器の形を作る仕事もしています。原料となる土を型に入れ、機械で形成し、乾燥させた後、模様をつけていきます。最後に久美さんが仕上げをして完成。夫婦で力を合わせて器作りをしています。


一方ギャラリーには、皿や湯のみなど、ご夫婦が手作りした一点物の作品が並んでいます。長崎の魚を表情豊かに描いているのが康則さんの作品。久美さんの器は、草花や果物を描いた可愛らしい絵柄です。


「お客さんに新鮮な海の幸を食べてもらいたい!」と、康則さんは朝から漁港に出かけます。やってきた大村湾でこの時期旬なのが鯛。この日は釣り仲間の中村さんと、たくさんの鯛を釣り上げました。


食卓に康則さんが釣り上げた鯛が並びました。豪快な生き造りにお客様も大喜び。ご夫婦の作った器で新鮮な海の幸を楽しめる夕食は、「美のり窯」での欠かせない時間です。
陶芸の館(波佐見町観光交流センター)

1階では、波佐見焼を始めとする町の特産物が販売されている他、絵付けやろくろ体験も楽しめます。2階では、400年の歴史を持つ波佐見焼の歴史資料や波佐見焼の工程などが展示紹介されています。
電話番号:0956-85-2214
開館時間:午前9時~午後5時

美のり窯

陶芸体験や長崎の海の幸を楽しめる民泊です。実際にろくろをまわしてオリジナルの器を作ることができます。松﨑さんご夫婦の個性溢れる器が並ぶギャラリーは、宿泊以外の方でも訪問可能です。
電話番号:0956-85-3818
問い合わせ時間:午前8時30分~午後8時
1泊2食付:5,650円
ろくろ体験:3,000円
