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2017年10月14日神無月の弐

宮崎・川南町
〜 昔の暮らしを楽しむ体験宿 〜

今回は、開拓の地として知られ、農業が盛んな宮崎県川南町が舞台。
この町を故郷に持ち、自宅を利用して農家民泊「里ぐらし」を始めた米山知子さん(65歳)と夫の敏夫さん(68歳)が主人公です。
知子さんの両親も戦後にこの地に入植し、クワ1本で荒れ地を切り拓いた開拓移民。知子さんは5人姉妹の末っ子として、大切に育てられました。保健師として社会に出ると、職場で出会った敏夫さんと結婚し、3人の子供が生まれます。敏夫さんの転勤に伴い、日本各地で暮らしました。知子さんは実家の両親が亡くなると、「親が切り拓いた農地をそのままにはしておけない、実家へ戻ろう。」と考え始めます。敏夫さんも賛同してくれ、知子さんは敏夫さんを残し、川南町へUターンしました。
2009年には、定年退職を迎えた敏夫さんも合流。夫婦であらゆる野菜を育て、ニワトリやヤギを飼い、何でも手作りして自給自足の暮らしを続けてきました。
やがて周辺もどんどん高齢化が進み、何か自分たちに出来ることはないかと思うようになった知子さん。今度は「農家民泊をしたい」と敏夫さんに切り出します。「自分たちがしてきた暮らしを体験してもらい、この地域を知ってほしい。さらに、移住したいと思う人が1人でも現れたら…」そんな思いで、2015年に農家民泊「里ぐらし」をオープンしました。
そんな「里ぐらし」に、宿泊のお客さんがやってくると…。野菜の収穫や栗ひろいなど、様々な農作業体験を楽しんで頂きます。米山家ではヤギや犬、ニワトリなどを飼っているので、動物とのふれあいも人気。また、農家民泊ならではの交流が、お客さんと一緒に台所に立つ、郷土料理作りの体験です。ご夫婦とお客さんがわいわい、にぎやかに夜はふけていきます。
親から受け継いだ土地を利用して、地域を元気にしたいと、何でも楽しみながら取り組むご夫婦の毎日。とっても魅力的な暮らしです。

自宅の畑で大量の落花生の収穫をする米山さんご夫婦。土から抜いたばかりの落花生はひとつひとつ丁寧に手で実をちぎり取っていきます。その後、洗浄に役立つのが本来はニンジンを洗うための機械。水が流れる中ブラシが回り、実の表面の土もきれいに落としてくれます。その後は、風通しの良いビニールハウスで乾かします。落花生の旬を迎えるこの時期は、“採って洗って干す”作業に大忙しの米山さんご夫婦です。

農家民泊「里ぐらし」に友人の落合さんご夫婦がいらっしゃいました。みんなで煎り落花生の皮をむき、始まったのが郷土料理の落花生豆腐作り体験。知子さんが先輩方から習ったレシピを丁寧に教えます。続いて、みんなで敷地内の森へ。地面にゴロゴロと落ちていたのが、秋の味覚・栗です!「栗を拾うなんて人生初!」と落合さんご夫婦も大喜び。その他にも、ベーコン作りや野菜収穫を体験し楽しみました。落合さんご夫婦にとって、知子さんと敏夫さんの暮らしは“憧れ”なんだそうです。

知子さんは隣に住むお友達を訪ねました。押川さんは草木染が趣味で、広い工房も持っている方。この日は、知子さんも一緒に、ストールをザクロの皮で染めました。草木染に使う染めの材料は、いつも自然から頂くという押川さん。知子さんもその素材集めをお手伝いしています。実は知子さん、今後は「草木染体験教室」を開きたいと考えています。押川さんも「知子さんがどんどん引っ張り出してくれるから楽しい」と喜んでくれ、地域を元気にしていく仲間たちがどんどん増えてます!

米山さんご夫婦は、農業を未来に残すための活動もしています。ある日ご夫婦が訪れたのは、知子さんの母校である地元の小学校。お二人は6年前から低学年の授業で野菜作りを教えているんです。この日は、春に植えた落花生の収穫。土にまみれながら落花生を抜く子供たちの表情は、とっても楽しそう!「大きくなったら都会に住むかもしれない子どもたちが、小学校の時に農作業体験したよね、と故郷を思い出してくれたらうれしい。」と語る知子さん。楽しみながら、農業の素晴らしさを伝えていきたいというのが、今ではご夫婦の大切なライフワークなのです。

川南町を元気にしたいと、常に願っている米山さんご夫婦。そんな思いを共有している若いお仲間もいます。ご夫婦の家の敷地内に暮らす、児玉陽亮さん・美音子さんご夫婦は洋画家とイラストレーター、お二人ともアーティスト!知子さんと敏夫さんは、児玉さんご夫婦の作品に惚れ込み、家を貸したり畑の野菜を好きなだけ食べてもらったりと、何かと応援しています。「若い人にもどんどん川南町に来て欲しい」米山さんご夫婦は、自分たちに出来ることは何でもしたいと思っています。

楽園通信

JA尾鈴直売所 産直おすず村

地元の方が作った新鮮な農産物や加工品が並びます。四季折々、旬の野菜や果実が豊富に集まります。
米山さんご夫婦の野菜もありますよ!

電話番号:0983-27-3066
営業時間:午前9時〜午後6時
定休日:年末年始のみ休業

農家民泊 里ぐらし

農業、手作り中心の、昔ながらの田舎の生活が体験できます。
季節ごとに違う農作業や、郷土料理作り、ベーコン作りなど様々な体験メニューがあります。
ヤギやニワトリ、犬や猫など、動物との触れ合いも出来ますよ。
宿泊、体験メニューなどの詳細は、お電話にてお問い合わせください。

電話番号:0983-27-4601
問い合わせ時間:午後6時〜午後10時
定休日:不定休

ギャラリー&カフェ 杜のこやぎ

この夏から、米山さんご夫婦が自宅の敷地内で始めたギャラリーカフェ。
地区の若手アーティスト、児玉さんご夫婦の素敵な作品を眺めながら、くつろぐことが出来ます。

電話番号:080-6453-3122
営業時間:午前11時〜午後4時
定休日:水・木・金曜日
ランチメニュー
 和ランチ・洋ランチ:500円(限定・各10食)
 コーヒー:300円

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