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2017年4月29日卯月の伍

高知・四万十町
〜 ようこそ!私のつつじ山 〜

清流・四万十川の流れ美しい、高知県四万十町が舞台。川を臨む自宅の裏山を11年かけて整備し、見事なつつじの園にした川上昭美さん(64歳)が主人公です。
山のふもとの農家に生まれ育った昭美さん。両親は裏山で、しいたけやさつま芋、栗などを栽培していました。22歳の時、町でクリーニング店を営む親(ちかし)さんと結婚した昭美さん。店の二階に暮らし、夫婦で忙しく商売を切り盛りしながら、2人の女の子を育てました。その後、ご夫婦は昭美さんの実家で両親と暮らすことになりますが、13年前、父の哲夫さんが亡くなりました。世話好きで、通りかかった旅人に声をかけてはもてなすのが大好きだった哲夫さん。大切にしていたのが、裏山に自生していた「つつじ」でした。しかし、手入れする人がいなくなった裏山はどんどん荒れていきます。そこで11年前、昭美さんと母・節子さん、そして姉の菊美さんが「このままにはしておけん!」と、山の手入れを始めました。そのうち、菊美さんは仕事が忙しくなり、節子さんは足腰が弱り、昭美さんが一人で手入れを続けることに。生い茂る木をコツコツと伐採し、雑草を刈り、徐々につつじを増やして、山を見事な「つつじの園」にしました。
4月になると、遠くからでも分かるほど、明るいピンクの“つつじ色”に染まる裏山。そのうち「つつじを近くで見たい」と人が訪れるようになり、昭美さんは自ら山を案内し、もてなすことも始めました。
亡き父から譲り受けた山を「つつじの園」として整備し続ける昭美さん。つつじを通して、沢山の人々とつながりを持ち、生きがいを得た昭美さん。その暮らしはとっても充実しています。

日々手を入れ、日当たりがよく整備された山には、つつじのほかにもさまざまな宝物があります。今の季節は、山の幸・ワラビ。地面を見ると、そこかしこに面白いように生えています。そんなワラビを見つけると、急斜面でも、身軽にひょいひょいと登っていく昭美さん。「すべっても、ワラビだけは離さない」んだそうです!

春にピンク一色となるつつじ山を保つためには、地道な作業があります。山に咲く「フジツツジ」を残し、カシやカズラなどの木を伐採します。この日、昭美さんが作業をしていると、なんと刈った場所から野うさぎが!山に手を入れるということは、動植物との共存でもあります。そのため、機械ではなく手で丁寧に伐採作業をするそうです。

こちらが、昭美さんが手入れをしているフジツツジです。藤の花に近い淡い赤紫色で、一般的なツツジに比べ、葉が小さく花が小ぶりであることが特徴です。100年以上前、植物学者が高知県で発見、新種として発表しました。学名は「Rhododendron tosaense Makino」。「tosaense」、“土佐の”という意味を持つ地元由来のツツジです。

この日は、昭美さんが4年前から行っている、ご近所さんを招待してのお花見会。たくさんの方々が集まり、昭美さん宅はとってもにぎやか。お弁当屋さんを営み、かつては共に山の手入れもしていた昭美さんの姉・菊美さんは、早起きしてお花見弁当を作ってくれました。食べながら、つつじを眺めるご近所の皆さん。皆さんに喜んでもらえることが、昭美さんの喜びでもあります。

この日の夜は、近所に暮らす長女の弥生さん一家とともに夕食です。4世代が揃う、にぎやかな食卓です。昭美さんが山で採ってきたタケノコやたらの芽も、家族みんなで美味しくいただきます。昭美さんの父・哲夫さんの話になり、かつて旅人をもてなしていた哲夫さんと、今山にお客さんをもてなす昭美さんが「そっくりだ」と話題になっていました。

楽園通信

道の駅四万十とおわ

店内には、地産池消の採れたて野菜や手作りの加工品が並びます。また、地元でとれたものを原料としたオリジナルスイーツや、オリジナルのお酒なども販売しています。

電話番号:0880-28-5421
開館時間:午前8時30分〜午後5時

(社)四万十町観光協会

川開きしたばかりの四万十川流域の情報など、四万十町の観光情報はこちらまでお問い合わせください!

電話番号:0880-29-6004
問い合わせ時間:午前8時30分〜午後5時15分

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