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2017年3月11日弥生の弐

静岡・森町
〜 元気母さんのお菓子工房 〜

舞台は遠州の小京都と称される、静岡県森町。住宅街にある自宅の一角で、お菓子工房を始めた鈴木美加さん(58歳)が主人公です。
静岡市出身の美加さん。好奇心旺盛で、歯科助手や宿での仕事、販売などあらゆる職種を経験しているうちに「いつか喫茶店を開きたい」という夢を持つようになります。その後、知人の紹介で知り合った保峰さんと結婚し、男の子が生まれました。子育てをする傍ら、喫茶店を始める一歩として、独学でお菓子作りの研究をスタートさせ、自宅の庭に小さなプレハブの工房を建てました。そして、2012年12月、「森町 fuuka -ふうか-」をオープンさせました。ところが2年前、夫・保峰さんが死去。美加さんはしばらく頑張ってお菓子作りを続けたものの、虚無感に襲われ仕事が手につかなくなってしまいました。ようやく前向きな気持ちを取り戻したのは、去年の秋。新たな気持ちで、お店を再スタートさせました。
近郊で採れる季節の食材をたっぷり使ったスイーツ作りにこだわる美加さん。ユニークなのが、販売方法です。自宅にあるのは製造工房のみで、販売店舗を持たないため、フリーマーケットなどのイベント会場に出店し「移動カフェ」として菓子販売を行っているんです。明るく元気な美加さんの周囲には、多くの友人やお客さんが集まり、楽しいおしゃべりが始まります。
亡き夫への思いを胸に、決して妥協することなくお菓子作りに奮闘するお母さん。手作りスイーツで、皆を笑顔にしています。

「森町 fuuka -ふうか-」のお菓子には、どれも美加さんのこだわりが詰まっています。イチゴなどの素材は近郊の農家や店に直接出向き、厳選したものを使用。それを惜しげもなくふんだんに使うのが美加さん流です。トッピングだけでなく、乾燥させて生地に練り込んだり、刻んでクリームに混ぜたり…。お客さんに素材の味を楽しんでもらいたい、そんな美加さんの熱い思いが込められたお菓子なんです。

この日、美加さんの姿は静岡市にある護國神社にありました。月に2度、「移動カフェ」という形で神社の参道で行われるフリーマーケットに出店しています。自宅の工房に籠もって黙々とお菓子作りをしている美加さんにとっては、お客さんと直に触れ合うことの出来るこの場所は「ハレの舞台」。とても楽しみな時間なんです。お客さんとのおしゃべりや「美味しい」の一言が、美加さんがまた頑張れるエネルギーになります。

この日は自宅で女子会。近所のお友達、久美子さん、敦子さんが美加さんのお家を訪れました。静岡おでんや特製サラダなど、美加さんお手製の料理が沢山並びます。料理好きな美加さんは、たまにこうして腕を振るうために友人を招待するんです。美味しい料理を食べながら、気の置けない友人と楽しいひと時。お腹も心も満たされた様子の美加さんでした。

岐阜県に離れて暮らす息子の一帆さんが帰省し、久しぶりの親子水入らずの夕食です。普段はお菓子作りに没頭し、菓子職人の顔になっている美加さんですが、一帆さんといる時はやっぱり優しいお母さん。息子の就職活動の話に聞き入ったり、心配したり。「元気に長生きしてほしい」との一帆さんの言葉には「お母さんは死ねないよ!」と肝っ玉母さんぶりを見せていました。

楽園通信

森町 fuuka -ふうか-

旬の野菜や果物をふんだんに使ったお菓子が自慢のお店。いちごのタルトやクラウンメロンのロールケーキ、抹茶あずきロールなど、さまざまなお菓子を楽しめます。季節ごとに商品が入れ替わるので、毎月違ったお菓子を味わえることもお客さんから好評の理由です。

工房での販売はありません。
イベント、予約のみの販売です。
詳しくは「森町 fuuka -ふうか-」のホームページをご覧ください。
尚、美加さんが一人で作っているため、お届けまでは、時間がかかることもあります。ご了承ください。

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