山口・岩国市
~ 故郷への想い 親父の酒米作り ~

山口県岩国市が舞台。生まれ育った故郷に戻り、日本酒造りに適した『酒米』を作り始めた弘兼信哉さん(62歳)と妻の千代さん(57歳)夫婦が主人公です。
サラリーマンとして、西日本を中心に転勤の多い生活を送っていた信哉さん。57歳の時に故郷・岩国市錦町府谷(ふのたに)で暮らしていた父が亡くなると、母を一人にしておけないと、会社を早期退職して夫婦で府谷にUターンしました。そこで過疎化と高齢化が進む故郷の現状を目にした信哉さんは、山口県が栽培を奨励していた酒米『山田錦』を育て、地域活性化の足がかりにしようと考えました。
ご近所さんに田んぼを借りて2015年、61歳で酒米作りを開始。今年は二度目の収穫を迎えます。妻の千代さんや地域の先輩たちも、奮闘する信哉さんを応援しています。
故郷に戻って、地域を元気にしようと酒米作りを始めた信哉さん、そして夫を支える千代さんご夫婦の暮らしをご紹介します。


酒米作りを始めた信哉さんに田んぼを貸してくれたのが廣兼桂子さんです。休耕田になりそうだった田んぼが、今年も稲穂を実らせたのを見て、信哉さんに感謝しています。「故郷の景色を守りたい」それが信哉さんの願いです。


酒米の収穫期を迎えた信哉さん、地元の先輩の手を借りて稲刈りを始めました。収穫後は一晩乾燥させてから籾摺りを行い、選別機でお米を振り分けます。今年は悪天候の影響もあって、去年の量には届きませんでした。酒米作り二年目、課題は山積みです。


岩国市内にある酒造会社の一つ、『八百新酒造』にやってきた信哉さん。収穫した酒米がどんな工程を経てお酒になっていくのか、蔵元の小林久茂さんに見学させて貰います。見学後は、この蔵で醸された日本酒の香りと味を堪能しました。


この日、信哉さんが訪れたのは府谷地区にある「グリーンピアやまざと」。年間契約で家と畑を貸し出している滞在型体験農園施設です。こちらで週末を過ごしているのは重野さんご夫婦。信哉さんは故郷に活気が戻ってくれればと、交流を重ねています。


この日、信哉さんの娘と孫たちが府谷にやってきました。みんなでチャレンジしたのは、おはぎ作り。手作りのおはぎが並んだ賑やかな昼食が始まりました。孫たちの元気な姿に信哉さんと千代さんも笑顔いっぱい。とても癒された時間を過ごせたようです。
グリーンピアやまざと

府谷地区にある滞在型体験農園施設「グリーンピアやまざと」。
ウッド調の家でくつろぎながら、庭先に広がる畑で好きな野菜を栽培することができ、山深い府谷地区の自然を満喫できます。
現在、入居者募集中。地域のイベントに参加できることなど条件があります。詳しくは、お問い合わせください。
電話:0827-72-2116(錦総合支所農林建設課)
問い合わせ時間:午前8時30分から午後5時15分(平日のみ)
