今回の人生の楽園は、1時間の拡大スペシャルです。
関東の中でも一足先に春が訪れる房総半島で、田舎暮らしを楽しむ2組のご夫婦を紹介します。
1組目のご夫婦は、南房総市でカフェを営む竹沢真由美さん(62歳)と夫の嘉実さん(66歳)です。福島県に生まれ育った真由美さん。上京後、金融機関に勤め、嘉実さんと職場結婚しました。幼い頃からの体験がもとで、家族の食事にはなるべく手をかけ、手作りにこだわりました。次第に自給自足の生活に憧れを抱くようになり、理想の移住先を探し始めます。そして見つけたのが、南房総市の山頂に近い1000坪ほどの土地。テラスがあって日当たりのいい家を新築し、2004年12月に夫婦で移住しました。移住後は畑を耕し、何もかも手作りする自給自足の生活を楽しんでいましたが、そんな暮らしの味わいを多くの人にも知ってもらいたいと「自給自足をおすそ分け」するようなカフェを開く事に。近所に土地を借りて、2014年11月「山のキッチン 東星田とみぃ」をオープンしました。お店で人気なのが、ご夫婦が普段食べている手作りの食事を出すランチセット。10食限定で用意していますが、毎回完売です。静かな山間で、人々が集まるにぎやかなカフェとなりました。
毎朝8時頃から1時間かけて朝食をゆっくりと楽しむ竹沢さんご夫婦。お店の営業日でも休みの日であっても、毎日朝4時頃から活動を始め、その後の朝食をしっかり食べるのです。この日の朝食のおかずは17品。窓越しに見える山々の景色を楽しみながら、一品一品味わいます。自家製パンや、庭で採れた野菜、飼っている鶏たちの卵…とても豊かな食卓です。休みの日は天気がよければテラスで「健康体操」を行います。日差しが照らすなか、ゆっくりと体を動かし、ほぐします。お店を営みながらも、南房総市での田舎暮らしをゆったりと楽しんでいる竹沢さんご夫婦です。
「東星田とみぃ」には、ご近所さんの他にも市外からランチを求めてやってくるお客様がたくさんいます。皆さん、真由美さんが手作りで準備する料理の数々と、嘉実さんの丁寧な接客を楽しみにしてくれているんです。真由美さんの作るランチは、畑で採れた野菜や、毎朝パン工房で焼く自家製パンを使い、どれもこれも、優しい味がすると評判です。美味しい料理と美味しい飲み物を楽しみながら、皆さん、ご夫婦と話に花を咲かせています。
2組目のご夫婦は、館山市での生活を日々楽しんでいる佐々木忠雄さん(70歳)と妻の昌代さん(72歳)です。
秋田県出身で、横浜市の会社に就職した忠雄さん。職場で出会った昌代さんと結婚し2人の子どもが生まれました。その後、忠雄さんは営業マンとして激務の日々を過ごしていました。56歳の時、リュウマチを患い、痛みに悩まされるように。いつしか「仕事を忘れて田舎で暮らしたい」と考えるようになりました。移住先を探し始めるも気に入る物件が見つからず、忠雄さんは定年退職を迎えました。そして2010年、館山市でとある賃貸物件を見つけました。家屋はボロボロで、まるでお化け屋敷のようでしたが、忠雄さんは「手直しすれば理想の家になる」と自分たちで改装することに決めました。2011年6月から漆喰や床板などを修復し、なんとか住めるようになった10月に館山市へ夫婦で移住。その後も手を加え続け、家は見違えるほど立派になりました。昌代さんは趣味のガーデニングを始め、四季を通して花々が庭を彩るようになりました。
そんな佐々木さんご夫婦の楽しみは、神奈川県に住む娘や孫たちがやって来ること。ご夫婦は、家族とこの家で過ごす時間を何よりも楽しみにしています。そして忠雄さんはこれからもこの家と庭をリフォームし続けることを生きがいに感じています。
自分たちで家を改装して、館山市に移り住んだ佐々木さんご夫婦。そんな二人の改装作業はまだまだ終わっていません。最近は、野菜や花々を育てている庭作りの作業をメインにしています。この日は、忠雄さんのアイデアで始めた、トタンを使った花壇の枠作り。自分の思い描いたカーブを描けるので、花々を育てている昌代さんも感動しています。ちょっとした工夫で庭が見違えるように変わる。そんな変化を楽しみながら、佐々木さん夫婦は改装を続けています。
神奈川県で暮らす長女と、次女家族が遊びにきました。早速、忠雄さんは孫のアリーちゃんたちと一緒に、庭にあった井戸にタイルを貼り、美しいテーブルに変身させました。そして夜には、昌代さんの72歳を祝うバースデイパーティーが行われました。神奈川県と千葉県を結ぶフェリーのおかげで、家族の元へ簡単に行き来ができる。娘や孫たちと交流を続けながら、幸せそうに田舎暮らしを楽しむ佐々木さんご夫婦です。