舞台は米どころとして知られる、千葉県鴨川市。3年前、東京からこの町に移住し新規就農を果たした増田陽光(ようこう)さん(63歳)と、妻の洋子(ひろこ)さん(60歳)が主人公です。
茨城県出身の陽光さんは都内の郵便局に勤務していましたが、「将来は農業をして暮らしたい」とずっと願っていました。そして2003年、鴨川市にある棚田「大山千枚田」の保存会会員となり、農業体験を通じて米作りを学び始めます。定年を迎える頃には理想の土地を探し、家も新築。2012年に鴨川市に移住を果たしました。移住後は積極的に地域の方と交流を深め、甘長とうがらしの栽培や借りた田んぼでの米作りにもチャレンジ!
第二の人生に「本格的な農業」を選択したお二人。慣れない作業で失敗やハプニングの連続ですが、ご夫婦はいつも明るく元気。何より毎日の生活を楽しんでいらっしゃいます。ベテラン農家を目指して、これからも頑張って下さいね!
米作りを始めて2年目の新米農家、増田さんご夫婦。二度目の稲刈りも順調に終了…と思いきや、収穫した籾を入れた袋が破裂!籾を入れすぎたことが原因ですが、こんなハプニングは日常茶飯事。庭では念願だったウコッケイの飼育も始めましたが、突っつかれるのが怖くてなかなか卵を採れないでいたところ…。なんと17羽が一斉にふ化!鶏小屋の中を元気なヒヨコたちが走り回っています。
「移住先では、会った人には必ず挨拶をすること」。ある本に載っていたこんなアドバイスを実行し続けたご夫婦。すると、住んでいる集落はもちろん、隣の集落まで知らない人はいないほど、たくさんの友人知人が出来ました。農家の川崎幸子さんもそんな一人。増田さんご夫婦に甘長とうがらしの栽培から出荷の方法まで、親切に手ほどきしてくれました。ご夫婦が作った甘長とうがらしはとても良い出来だと、川崎さんも太鼓判!
鴨川と増田さんご夫婦を繋ぐきっかけとなった場所「大山千枚田」では、都会の人でも気軽に米作り体験ができる棚田のオーナー制度を導入。この日は、年に一度の収穫イベントが開催されました。以前は参加者の一人だった陽光さん、今年は指導する立場に。初心者の方々にアドバイスしたら、間違ったやり方を教えてしまう失敗も…。その後、ベテラン農家さんに教えてもらえたので、来年はきっと大丈夫です!!
ご夫婦が「鴨川のマチュピチュ」と呼ぶ、山の上の集落に広がる棚田。ここで70年以上、米作りを続けてきたのが89歳の山﨑俊夫さんです。高齢のため、田んぼを誰かに任せたいと思っていたところ、手を挙げたのが増田さんご夫婦でした。ここでは小さな稲刈り機で刈った後、稲木干しをする昔ながらの方法が行なわれています。移住仲間の高橋さんご夫婦も手伝いにかけつけ、みんなで共同作業。これぞ、伝統的な日本の農村風景です。