舞台は岡山県津山市。趣味で鉄道ジオラマを作る先本廣司さん(64歳)と、妻の敏子さん(60歳)ご夫婦が主人公です。
実家の農業を手伝いながら看板店で働いてきた廣司さん。59歳で退職すると、塗装のアルバイトをしながら、空いた時間で鉄道ジオラマを作り始めました。廣司さんの鉄道ジオラマはどんどん増え続け、やがて農作業小屋の中がジオラマで埋め尽くされるまでに。
それらの作品は次第に地元で評判となり、ジオラマ展示の声がかかるようになりました。そして今、もっと多くの人に楽しんで貰らおうと、軽トラの荷台にジオラマを乗せ、夫婦揃って『出前ジオラマ』に出かけています。
ジオラマ作りと展示のボランティアに忙しく活動する廣司さん、そしてそれを温かく見守る敏子さんを紹介します。
農作業小屋の中には、廣司さんの作った鉄道ジオラマが所狭しと飾られています。元々はコメ作り用の機具置き場に使っていましたが、今はジオラマが占領。廣司さんは小屋の中で、少年のように鉄道ジオラマを眺めたり動かしたりして、存分に満喫しています。
鳥取県智頭町にある恋山形駅は、2年前、ピンク一色に塗られた駅として有名になりました。そのリニューアルのペンキ塗りに参加した廣司さん。キズが付いたり退色したりした部分を塗り直しました。観光客がガッカリしないように、看板屋さんだった経験をいかして一生懸命作業しました。
智頭町の山間部にある、板井原集落のジオラマ作りを頼まれた廣司さん。かつて集落に住んでいた方々に話を聞きながら作っていきます。かやぶき屋根の住宅や炭焼き小屋、焼畑の跡などをリアルに再現して、賑わっていた昭和30年代の板井原集落を再現することができました。
廣司さんの母・八重子さんと夫婦3人の夕食。八重子さんは昔から田んぼでお米作りを続けていました。八重子さんの農作業小屋を占領して以来、廣司さんは頭が上がりません。そんな廣司さんを、敏子さんも八重子さんも苦笑いしながら温かく見守っています。
ボランティアとして廣司さんが始めた「出前ジオラマ」。軽トラックの荷台に鉄道ジオラマを積んで出かけ、出張先で鉄道ジオラマを楽しんでもらいます。この日は、津山市にある子どもたちの福祉施設を訪れました。子どもたちは大喜びで、模型の列車を操作して楽しんでいました。