舞台は北陸新幹線の開業で賑わう富山県富山市。4年前、横浜市から移住した安達知之さん(69歳)と博子さん(68歳)が主人公です。
定年が近づいたとき、それまで仕事に費やしていた時間がポッカリと空くことに不安を抱いた知之さんは、生まれ育った富山での田舎暮らしを考え始めます。そして見つけた1軒の民家。母屋はボロボロでしたが、すでに改装されていた納屋の雰囲気と、目の前にそびえたつ立山連峰の美しさに心を打たれ、購入を決意しました。その後“減築再生”で床面積を減らし、2011年3月、田舎暮らしを始めました。
畑仕事や陶芸を楽しむ知之さん。お菓子作りに励む博子さん。それぞれに趣味の時間を大切にしながら毎日を満喫する、安達さんご夫婦を紹介します。
知之さんの故郷・富山県で見つけた大きな民家。夫婦二人の暮らしにちょうどいいように、“減築再生”という方法でリフォーム。元々は8部屋に分かれていたものを4部屋に、床面積も154平米から130平米に減らしました。減築再生したことで、広々とした玄関や二間続きのリビングなど、ゆとりある空間が生まれました。
晴れた日には自宅の隣にある畑で野菜を育て、雨の日には陶芸の作業場で土と向き合う知之さん。一方、納屋にあるキッチンで大好きなお菓子作りを楽しむ妻の博子さん。夫婦それぞれ、時間を気にすることなく趣味に打ち込んでいます。お互いの時間を大切にしながら、田舎暮らしを謳歌する安達さんご夫婦です。
日没後、知之さんは中学生時代の同級生・道鬼(どうき)さんと、アユ漁に出かけました。道鬼さんが網を投げ入れると同時に、知之さんがアユを上流に追い込みます。息がぴったり合った同級生コンビです。翌日開かれるホームパーティーで友人のみんなに鮎をたくさん食べてもらいたいと、月明かりの下、遅くまでアユを獲り続けました。
知之さんの同級生たちが集まりました。自分たちで栽培した蕎麦粉を使い、蕎麦を打ちます。こねるのは知之さん、延ばすのは大谷さん、そして蕎麦を切るのは道鬼さん。それぞれ役割が決まっています。前夜に獲ったアユは知之さんが作った大皿に盛られました。自分たちで揃えた自然豊かな富山の味が並び、思い出話に花が咲きます。