舞台は、鹿児島県さつま町。
10月から収穫できる「早掘りタケノコ」で有名なこの町で、竹林の整備を行なっている南 孝さん(68歳)と妻の和子さん(67歳)が主人公です。
JRで乗客係として働いていた孝さんは、56歳で退職。その後、町の伝統工芸センターで館長を務め、竹の知識や竹細工について学びました。2007年、完全リタイヤした孝さんは、かねてから欲しかった竹林のある山を購入。人の手が入らずに荒れていたその竹林を、5年の歳月をかけて、仲間や家族が集う“癒しの場所”に整備しました。
竹林に魅せられ、美しい竹林を守り続ける南さんご夫婦を紹介します。
日々、竹林に出かけては整備をする孝さん。春先の作業は、どんどん出てくるタケノコの数を調整することに追われます。地面に出てきたばかりのタケノコは食用に収穫し、大きくなり過ぎてしまったものは伐採します。竹は1カ月程でほぼ成長しきってしまうため、どのタケノコを収穫し、どのタケノコを残して育てるか、孝さんの経験と知識で決めていきます。
孝さんが竹林へ出かけている間に、自宅では妻の和子さんとお友だちが、お茶を楽しんでいました。集まったのは和子さんの同級生たち。それぞれが持ち寄ったお料理を食べながら、子どもの頃の楽しく懐かしい思い出を、時間が経つのも忘れて語り合いました。
40代から登山を楽しんできた孝さん。この日は、JR時代の山岳部仲間が竹林にやってきました。手分けして竹林のタケノコを掘り、伐採した竹を加工して竹のコップや器を作りました。準備が整った後は、イモ焼酎のカッポ酒を片手に、シシ鍋や山菜の天ぷら、タケノコご飯を食べながら、宴会を楽しみました。
さつま町の「グリーン・ツーリズム」の取り組みに参加している孝さん。竹林でタケノコ掘り体験などを受け入れて、活動に協力しようという計画を立てています。さつま町は孝さんの生まれ故郷ではありませんが、この町のために貢献できることは何でもしたい、と考えている孝さんです。
竹林に長女の家族が遊びにきました。この日の主役は、タケノコ掘りが得意な6歳の孫、悠晋(ゆうしん)くん。美味しそうなタケノコをたくさん掘ってくれました。そしてその夜は、和子さんが腕によりをかけて焼いたタケノコ入り特製ハンバーグを、家族みんなで食べました。