今回の舞台は、東北有数の桜の名所、宮城県柴田町。故郷を元気にしたいと、地域の仲間たちと一緒に廃校になった木造の分校舎を再利用し、産地直売所を始めた加藤嘉昭さん(61歳)と妻・陽子さん(66歳)が主人公です。
柴田町出身の嘉昭さんは高校卒業後、地元の町役場に就職。23歳の時、同じく町役場に勤めていた陽子さんと結婚、その後3人の子供が生まれました。長年地域の移り変わりを肌で感じてきた嘉昭さんは、少子高齢化が進む故郷をなんとか活気づけたいと、地元の仲間たちと様々な地域起こしに取り組んできました。そして、「農村に活気を取り戻すには、まず農業を元気にしなければ…」と考え、2013年に町役場を早期退職、自ら野菜作りをしながら、地元の仲間たちと一緒に産地直売所「プチみちの駅・とみかみ」をオープンさせました。
故郷の友人たちと一緒に地域起こしに取り組む、加藤さんご夫婦を紹介します。
宮城県の南部に位置する、自然豊かな柴田郡柴田町。町の西には東北の名峰・蔵王連峰がそびえています。町の中心を流れる白石川沿いには、1000本を越えるソメイヨシノが咲き誇り、東北有数の桜の名所「一目千本桜」として知られています。船岡城址公園と白石川堤を結ぶ「しばた千桜橋(せんおうきょう)」の上は、桜と蔵王連峰を撮影しようとする多くの花見客で賑わっていました。
嘉昭さんの母校「槻木(つきのき)小学校富上(とみかみ)分校」は明治7年創立。当時は小学1年生から4年生までがここで学び、5年生からは3キロ離れた本校に通いました。
年々児童数が減り、1976年に廃校となりましたが、木造校舎は地域住民の手で大切に守られてきました。「思い出の詰まった校舎を、もう一度活かしたい」その思いから始まった、産地直売所「プチみちの駅・とみかみ」。
かつての学び舎は、今、地域住民の憩いの場になっています。
嘉昭さんは町役場を早期退職すると、父親から引き継いだ畑で野菜の栽培を始めました。そして自宅裏の納屋を漬物加工所にして、カブの千枚漬けやタクアンを作り、野菜と一緒に「プチみちの駅・とみかみ」に出荷しています。
妻の陽子さんは畑の草取りなどを手伝ってくれます。
写真が趣味の嘉昭さんは2年前、住民の皆さんと協力して地域の写真集を作りました。それぞれの家に残っていた古い写真を集めて、一冊にまとめたのです。思い出と共に蘇る懐かしい風景。「故郷の風景を記録として残したい」。その想いで、嘉昭さんは毎日のように写真を撮っています。