舞台は、春真っ盛りの千葉県南房総市。海も山もあって温暖な気候、移住地として人気の町です。そんな南房総で田舎暮らしを満喫している、石原国男さん(71歳)と妻の不拘子(ふくこ)さん(68歳)が主人公です。
電機メーカーの技術者だった国男さんは、保育士だった不拘子さんと結婚。その後、国男さんが南米・コロンビアへ赴任することになり、家族で海外生活を経験しました。帰国後は東京に居を構えて暮らしていましたが、定年が近づくにつれて国男さんは、「退職後は自然豊かな場所で暮らしたい」と考えるようになりました。そこで、東京から近く自然豊かで温暖な南房総に、二人暮らしにちょうどいい小さな家を建てて移住を果たしました。
移住して今年で10年目。野菜作りや釣りなど、自然と親しむ生活を満喫しながら、沢山の仲間に囲まれています。
海あり山ありの南房総で充実した生活を送る石原さんご夫婦。その毎日は、にぎやかで楽しく、お金をかけなくても、とても豊かなものでした。
全く知らない土地に飛び込み、田舎暮らしを始めた石原さんご夫婦。
そんなお二人を地元の方々は、温かく迎えてくれました。中でも「ケンちゃん」こと池田健治さんは、国男さんの大親友で地域のリーダー的な存在。農作業や害獣駆除など地域の困りごとをボランティアで引き受け、国男さんや仲間たちは、いつもそのお手伝いをしています。国男さんはこの楽しい仲間たちと、海釣りや山菜採り、飲み会など、たくさんの楽しみも共有しています。
南房総の特産品が「びわ」。ご夫婦の自宅の裏山にもびわ畑が広がっています。
畑の持ち主、新藤節子さんは、87歳の現役農家!一人で作業をする節子さんを見て、国男さんが手伝うようになりました。この日は、一つの枝に良い実を一つだけ残す摘果の作業。最初は興味本位でビワの仕事を教わった国男さんでしたが、今ではすっかり節子さんに頼りにされています。作業を終えたら、節子さんの手料理で一休み。とても暖かな交流です。
不拘子さんも、地元のために頑張っていることがあります。
20代の頃、保育士として働いた経歴を持つ不拘子さん。今再び保育士として、地域の子育て支援センターで働いています。不拘子さんに白羽の矢を立てた主任の鈴木先生曰く「不拘子さんはいつもニコニコ明るくて、子供たちの人気者」。子供達と接している姿は本当にイキイキしていて、素敵な笑顔。いつも周囲を明るく元気にしています。
ある日、東京へ出かけた不拘子さんが、かわいいお客さんを連れて帰ってきました。東京に住む息子さん夫婦の間に生まれた、孫の蓮大(れお)君、4歳です。都心から高速バスを使っておよそ1時間半という便利さ。そのため蓮大くんは気軽に南房総へやって来ます。
海も山も楽しめるこの南房総での田舎暮らしの楽しさを、これからも蓮大君に伝えて行きたい、と考えているご夫婦です。