古くから焼き物の街として知られている愛知県瀬戸市が舞台。薪窯で焼くパン屋さんを始めた加藤秀晴(かとう・ひではる)さん(66歳)と伊律子(いつこ)さん(67歳)が主人公です。
秀晴さんは父の介護をきっかけに早期退職。将来の役に立つことを習いたいと通い始めたパン作り教室がきっかけで、2010年「薪窯と自然酵母のパン カルム」をオープンさせました。オープン当初は、温度調節が難しい薪窯に悪戦苦闘しましたが、今は窯の扱いにも慣れ、パンを求める常連さんも増えてきました。天然酵母で発酵させたパンは、モチモチとした食感が特徴。ちょっと焦げ目のある表面は、薪窯ならではの味わいです。伊律子さんも、訪れるお客さんにとって居心地の良い場所になれば、と夫を支えています。
薪窯で焼くふっくらモチモチのパン屋さんを始めた、加藤秀晴さんと伊律子さんをご紹介します。
営業日は午前3時からパン作りを始める秀晴さん。自然酵母で発酵させたふっくらモチモチの生地を、薪の火で300度まで温めた窯の中で一気に焼き上げます。人気のカンパーニュの焼き上がり時間は、なんとたったの5分。
心を込めて焼いたパンは、たくさんの笑顔に包まれています。
午前9時にパンを焼きあげると、秀晴さんは店を伊律子さんに任せ、馴染みの喫茶店でモーニングを食べます。2年前、飛び込みでお願いして以来、店内の一角に「カルム」のパンを置かせてもらっています。ランチセットには、特注の丸パンも出しています。
伊律子さんは、定年まで愛知県の保健師として働いてきました。30年前、豊田市小原地区で一緒に仕事をしていた原田昭子さんとは、今も親しいお付き合いが続いています。
この日は、ドライブがてら秀晴さんと一緒に原田さんが営むお店を訪ね、五平餅を食べながら、当時の話に花を咲かせました。
秀晴さんは、店の休憩時間に市民公園のテニスコートで趣味のテニスを楽しみ、そして夕方にはまた、翌日のパンの仕込みに取りかかります。そのうちにテニスを終えたお仲間が「カルム」に立ち寄ってくれて、パンをお買い上げ。イートインスペースで楽しい会話が弾みます。居心地がいいパン屋さん「カルム」、たくさんの人の集いの場所になっています。