舞台は山口県山口市。札幌市から山口市の山間部、徳佐へ移住し、田舎暮らしを楽しんでいる杉田功二さん(69歳)と妻の和子さん(67歳)が主人公です。
山口県で生まれ育った功二さんは、もともと乳業メーカーの営業マン。転勤が多く、和子さんと二人の娘と一緒に日本各地で暮らしました。
定年退職後、ご夫婦は娘家族がいる札幌市を“終の棲家”と決め、暮らし始めたのですが…。次第に山口県への郷愁が募っていった功二さんは、移住を決意。山口県中を探しまわり、「空き家バンク」を通じて山口市徳佐に素敵な貸家を見つけました。その情熱に和子さんも根負け。2011年に夫婦で札幌市から移住を果たしました。
そして、移住後の生活には想像もしなかった楽しいことがたくさん待っていました。ご近所さんから野菜の育て方を教わったり、手作り料理をいただいたり、温泉で仲良くなった友達との交流を楽しんだり…。移住先でたくさんの人たちと「気持ちのやりとり」を楽しむ、杉田さんご夫婦の暮らしをご紹介します。
移住当初から野菜作りでお世話になっている渡辺さんがやってきました。お土産の焼き芋を食べながら話が弾み、そのまま昼食も食べていってもらうことに…。和子さんのおいしい手料理を食べながら、楽しいおしゃべりはまだまだ続きます。
杉田さんご夫婦の日々の楽しみは、自宅から車で5分の場所にある「道の駅 願成就温泉」に通うこと。会員券で割安に温泉に入れるとあって、他にも町の方々が大勢通っています。湯船の中での交流がきっかけで、功二さんにも和子さんにも、たくさんのお友達ができました。
温泉で友達になった鶴岡さんの家を訪ねた和子さん。山口県の郷土料理「けんちょう」の作り方を教わりました。炒めた根菜類に豆腐を加えて煮る、地元に伝わる“お母さんの味”です。こうしてまた一つ、和子さんは郷土の味を覚えました。
徳佐から車で約1時間、萩市へやってきた杉田さんご夫婦。風情ある街を散策し、徳佐とはまた違う空気を満喫しました。萩に来ると伝統ある干物店とカマボコ店に立ち寄るのも、お二人の楽しみ。「あの人に渡したい、あの人にピッタリ…」と時間を忘れてお土産選びをしていました。
杉田さん夫婦は、萩のお土産と手作りコロッケを持って、お世話になっているご近所さんのお宅を回りました。訪ねた先の皆さんは、とても喜んで二人の気持ちを受け取ってくれました。功二さんと和子さんは、こうした友人たちとの何気ない「気持ちのやりとり」を日々楽しんでいます。