舞台は、宮崎県えびの市。2013年、自然豊かなこの土地に愛知県から移住し、古民家カフェを開いた各務(かがみ)元春さん(63歳)と妻、順子さん(61歳)が主人公です。
愛知県東海市に生まれた元春さんは22歳のとき、えびの市出身の順子さんと結婚。38歳で建設会社を起こし、がむしゃらに働いてきましたが、50代になると趣味の乗馬やパラグライダーを楽しめる土地への移住を考えるようになりました。一方、順子さんの夢は料理の腕をいかしてカフェを開き、田舎でのんびり暮らすこと。その後、移住先を探していた元春さんは、順子さんの故郷・えびの市で見つけた古民家に“一目惚れ”して購入。愛知県から通いながら、2年かけてこつこつとリフォームを重ねました。そして2013年6月に夫婦でえびの市に移住、11月に乗馬施設も備えた古民家カフェ「田(た)の神(かん)さぁ」をオープンさせました。馬のほか、犬や猫、子鹿ともふれあえるカフェです。
地元の人たちとの交流を楽しみながら、日々の暮らしを謳歌する各務さんご夫婦の暮らしを紹介します。
築100年を超える古民家を改装したカフェ、店の名前は「田(た)の神(かん)さぁ」。田畑に豊作をもたらす神さまから頂きました。店内は趣味で集めたアンティークの数々が並びます。和と洋が混然一体となったおしゃれな空間です。
「田(た)の神(かん)さぁ」で出会える動物は、愛犬の“フー”と“ソラ”、古民家の縁の下から出てきた猫の“カイ”、そして2頭の馬“リク”と“ナミ”。さらに、最近新しい家族が加わりました。子鹿の“ゆきちゃん”です。山で罠にかかっていたのを地元の方が連れてきました。たくさんの動物たちとふれあえる癒しのカフェです。
カフェ「田(た)の神(かん)さぁ」の人気は、380円の名古屋風モーニングセットと、地元の食材を使った家庭的な定食メニューです。料理の担当は順子さん。近所の皆さんから頂く野菜で、その日のメニューを決めています。
広さ3000平米の敷地には乗馬の施設も整え、訪れた人は誰でも乗馬体験ができます。その他にもドッグランやターザンブランコなど、みんなが楽しめる空間を作り上げました。“もっとみんなに楽しんでほしい”と元春さんは、日々新しい施設作りを夢見ています。