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【2月21日放送】
楽園の住人
如月の参 岩手・花巻市
~笑顔を届ける雪国の魚屋さん~

舞台は岩手県花巻市。東日本大震災後、宮城県気仙沼市から移り住み、魚屋さんを開いた畠山奈津子さん(60歳)と夫の公弘さん(60歳)が主人公です。
気仙沼市に嫁いだ奈津子さんは「新鮮な魚介をもっと多くの人たちに食べてほしい」と、50代で一念発起し、中古の保冷車を使って魚介の移動販売を始めました。しかし、その仕事が軌道に乗り始めた矢先の2011年3月、東日本大震災に襲われたのです。家族は難を逃れたものの、海辺にあった自宅は津波で流されました。その後、仮設住宅で再出発を始めたお二人に移住を勧めたのは、花巻市に暮らす長女の家族でした。こうして花巻に移り住むことを決めたお二人、移住後に近所のスーパーが閉店したことを知り、「この町の人たちの力になりたい」と、自宅の倉庫を改装して魚屋「浜ちゃん」をオープンしました。
震災を乗り越え、気仙沼と花巻の心の懸け橋になろうと、新鮮な海の幸を届けるご夫婦を紹介します。

「浜ちゃん」は、店の広さが9坪ほどの小さな魚屋さんです。売り場には、市場から仕入れてくる海の幸の他に、お客さんのリクエストによって卵やパン、お菓子なども並べられています。魚を捌くのは奈津子さんの担当。公弘さんはその他全般の仕事をサポートしています。夫婦で支えあっているお店です。

畠山さんご夫妻の朝は、魚の仕入れから始まります。北上市と花巻市にある二つの市場を訪れ、自分の目で鮮度を確かめます。この日は、生のバチマグロやスルメイカを仕入れました。仕入れた鮮魚は、下処理をして売り場に並べます。こうして毎朝、新鮮な魚介を花巻市の皆さんに届けています。

奈津子さんが仕事の合間に訪れたのは「ゆいっこカフェ」。花巻市の復興支援団体が運営する、地元の人たちと被災者の交流サロンです。この日は蕎麦打ち体験が行われました。打ち立ての蕎麦をいただきながら語らうひととき。「ここで過ごす時間が大好き」と話す奈津子さん。今ではすっかり花巻に溶け込んでいます。

魚屋「浜ちゃん」の原点は移動販売。この日、奈津子さんと公弘さんは、「産直市場あぐりっこ金成(かんなり)」にやってきました。ここにお店を出すのは1年ぶりのこと。お孫さんたちも手伝いに駆け付けてくれました。かつての常連さんたちとの久しぶりの再会に、思わず笑顔がこぼれたお二人です。

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浜ちゃん

畠山さんご夫婦が営む花巻市の魚屋さん「浜ちゃん」には、毎朝新鮮な魚介類が並びます。人気は何と言っても市場から仕入れてくる三陸の海の幸。特に冬はホタテが美味しい季節です。皆さん、たくさん召し上がれ!

電話:080-1830-7323
営業時間:午前9時~午後6時
定休日:水曜

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