舞台は、高知県宿毛市(すくもし)の沖合にある沖の島。一本釣り漁師の新田政司さん(57歳)と妻の智子さん(61歳)が主人公です。
お二人は2009年10月にも紹介したご夫婦です。
転勤の多いサラリーマン生活の中、趣味の釣りで訪れた沖の島を気に入り、「この島で漁師になりたい」と考え始めた政司さん。49歳で会社を退職し、沖の島へ移住、一本釣り漁師になりました。
前回の放送から丸5年が過ぎ、新田さんご夫婦の生活には様々な変化が起きていました。先輩漁師から借りていた一軒家を出て、空き家になっていた民家を改修して住み始めるなど、今ではすっかり「島民」として沖の島に溶け込んでいます。
沖の島に惚れ込んだ新田さんご夫婦の、その後の島暮らしを紹介します。
現在、新田さんご夫婦は、10年以上空き家になっていた民家を自分たちで改修して暮らしています。床板の張り替えから壁の漆喰塗りまで、ていねいに時間をかけて改修した自宅は、二人にとって安らぎの場所。さらに、荒れ果てていた庭も手入れをして、ピザ窯と海を臨むテラスを作りました。
海が荒れて漁に出られない日も、政司さんには仕事があります。それは、自宅のストーブで使用する薪を作ること。知り合いの方が所有する山に入り、チェーンソーを使って木を切っていきます。とても大変な作業ですが、薪は日々の暮らしで大切なもの。休憩を取りながら作業を続けます。
釣り好きが高じて一本釣り漁師になった政司さん。狙うは、深海500メートルに生息するキンメダイです。この日も大漁を目指して漁に出ましたが、釣果は小さいキンメダイ2匹とカサゴ3匹。少し残念な結果でしたが、「まあ、そんな時もあるさ」と、次の大漁を目指します。
制服に身を包み、週に2日ほど島の郵便局で働く智子さん。テキパキと仕事をこなしますが、まだまだ慣れないことも多いそうです。約230人が暮らすこの島で、郵便局は島民にとって大切な場所。そんな郵便局の窓口で働く智子さんを、島の人々は優しく応援してくれています。
政司さん自慢のピザ窯を使って、ピザパーティーが開かれました。集まった皆さんは、新田さんご夫婦が今の家に移ってから親しくなった若者たちです。焼きあがった手作りピザを食べながら、釣りの話や結婚話など様々な話に花を咲かせて楽しみました。