今回の舞台は三重県伊賀市。米粉の加工品を製造販売する「百姓工房 伊賀の大地」を営む、松森克太(よしたか)さん(58歳)と芳子さん(52歳)ご夫婦が主人公です。
克太さんは米農家の12代目。地元の温泉施設に勤めながら農業をしてきましたが、手間の割には収益の少ない米作りに疑問を感じていました。そこで考えたのが米粉の加工品。試行錯誤の末、半年かけて「米粉かりんとう」を完成させました。そして生産から加工、販売までを行なう6次産業の認定を受け、2012年「百姓工房 伊賀の大地」を開設。今では米粉パンの製造販売も始めました。
農業で故郷を元気にしたいと、米粉の加工品づくりに励む松森さんご夫婦の暮らしを紹介します。
克太さんは温泉施設での仕事と農業の傍ら、商品の配達など、出来ることを手伝います。自家米で作った「米粉かりんとう」は、地元の特産品を扱うお店でも販売しています。今では、製造が間に合わないほどの人気商品となりました。
去年10月から火曜日と金曜日限定で、米粉を使ったパンの製造も始めました。この米粉パン作りには、近所の女性たちも参加しています。大好評の米粉パンは出張販売も行ない、地元の人にとても喜ばれています。
農閑期の冬でも、米作りは始まっています。この日は田起こしです。克太さんは若い人たちにも農業の魅力を広めたいという想いから、新規就農を目指す人たちに農業指導も行なっています。農業に興味を持つ若者が増えていることはうれしい、と語る克太さんです。
閉店後のある日、新たな「かりんとう」の試作を行ないました。甘味も砂糖ではなくお米で作れたら、というアイデアから、甘酒を使った「かりんとう」に挑戦します。いずれは百姓工房での仕事を本格的にやろうと考えている克太さん。また1つ、新たな米粉商品の誕生です。