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【12月27日放送】
楽園の住人
師走の四 山形・尾花沢市
~青い大豆の愛情豆腐~

舞台は山形県尾花沢市。40代で農業を始め、自家栽培の大豆で豆腐作りも始めた長澤隆士さん(54歳)と妻の広子さん(59歳)が主人公です。
山形県で農業資材の販売をしていた隆士さんは、地元の田や畑が年々荒れていくのを目の当たりにして心を痛めていました。そこで、「自分がやるしかない」という思いから44歳で会社を退職、休耕地を借りて稲作と大豆の栽培を始めました。さらに加工技術を学ぼうと夫婦で研修に行った山形市内の豆腐店で、山形原産の大豆「秘伝豆」から作られた豆腐と出会いました。それを機に、原料の大豆からすべて自分の手で作る豆腐店の開店を目指して準備を始め、2007年3月、自宅の車庫を改装して「とうふや 豆(と)ぉ~ちゃん」をオープンしました。
故郷の田畑を守ろうと農業と豆腐作りに励む、明るいご夫婦を紹介します。

朝4時。「とうふや 豆ぉ~ちゃん」の一日が始まります。まずは、前日から水に漬けた大豆の状態を確認します。ここで水の含み加減を見て、豆乳にする際に入れる水の量を決めます。その後、大豆をすりつぶして圧力窯で蒸し、搾った豆乳に、にがりを入れて固めます。時間と体力、そして経験が必要とされる大変な仕事です。

惣菜作りを担当する広子さんがやってきたのは、親戚のおばさんの家。豆腐と野菜を物々交換しています。お店を始めてから広子さんは、交換した野菜とおからを使って、惣菜作りを始めました。メニューは、秘伝豆のおからで作る「卯の花和え」と「おからとカボチャのサラダ」。秘伝豆の風味と野菜の甘さが口いっぱいに広がる手作りの惣菜も、自慢の一品です。

この日「とうふや 豆ぉ~ちゃん」は、地元の温泉施設「花笠の湯」の開館10周年記念イベントで、出張店舗を開きました。広間で行われた演芸会で、趣味の踊りを披露した隆士さん。その甲斐あって出張店舗は大盛況! 集まった多くのお客さんを見て、喜びを頬に浮かべる長澤さん夫婦でした。

隆士さんは5年前から、東北生まれの青大豆「秘伝豆」を作っています。大豆作りは天気との戦いです。この2年は収穫出来ず、市場で仕入れた豆を使っていました。この日は待ちに待った秘伝豆を刈る日。コンバインを扱う佐藤さんに収穫をお願いしました。丹精込めて育てた秘伝豆を手に取り、いい出来だと話す笑顔の隆士さん。再び、自分で育てた「秘伝豆」での豆腐作りができると意気込んでいます。

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とうふや 豆ぉ~ちゃん

「とうふや 豆ぉ~ちゃん」は、山形県のJR芦沢駅前にあります。土曜、日曜の営業です。緑色が特徴の「秘伝豆」とタンパク質を多く含む「リュウホウ」の二種類の大豆を使い分けて作る豆腐は、どれも絶品。品切れになるときもあるので、電話でのご予約をお勧めします。

電話:0237-25-3070
営業時間:午前8時~午後7時
土、日曜のみの営業
揚げだしとうふ 280円
もめんとうふ  180円
おぼろとうふ  400円
ざるとうふ   450円

徳良湖温泉 花笠の湯

地域の憩いの場「花笠の湯」。尾花沢の名産品であるスイカを使ったスイカサイダーや、スイカ羊羹もあります。

電話:0237-24-1160
営業時間:
午前9時30分~午後9時30分
定休日:第3水曜
※2月、3月は第1、3水曜

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