今回の舞台は神奈川県厚木市。趣味だった家庭菜園が高じて農家になった佐々木人道さん(51歳)と、自宅の玄関脇でパン工房を始めた妻の由美子さん(43歳)が主人公です。
建設会社に勤めていた人道さん。会社が希望退職者を募り始めたとき、「これからは自分が本当にやりたい事をやろう」と、45歳の時に早期退職。県の農業アカデミーに1年間通い、専門的な知識を学びました。その後、隣接する愛川町で畑を借り、農家としての道を歩み始めました。由美子さんもその熱意に押され、パン工房を始めることを決意。玄関先を改装し、2010年『パン工房・穂土(ほと)』をオープンしました。
農家の夫が育てた野菜を使って、妻がパン工房でパンを焼く・・・。夫婦二人三脚で、互いを支え合いながら生活する佐々木さんご夫婦を紹介します。
4年前、自宅の玄関部分を改装し、妻の由美子さんが始めた『パン工房・穂土』。夫の人道さんが育てた野菜を由美子さんが加工し、パンの具材として使っています。ジャガイモが丸ごと1個入った“ポテトパン”、カボチャやトマト、ピーマンなどがのった“ピザパン”、天日干しでうまみが凝縮したナスを使った“なすとひき肉のカレーパン”など、約20種類のパンが店頭に並んでいます。
『パン工房・穂土』では、季節ごとに旬の野菜を使った新作パンを提供しています。そこで由美子さんは、この秋の目玉商品として、人道さんが育てたサトイモで“里芋のグラタンパン”を試作。味見をしてもらおうとママ友を招待し、試食会を開きました。率直な感想を言ってくれるママ友。新たなアイデアは、いつもここから生まれています。
人道さんは月に1度、新しく農家になった仲間たちと、“畑回り”という農業の勉強会をしています。今回はリーダー的な存在で、様々なことにチャレンジしている千葉さんの畑に出向き、インゲン豆の栽培方法や工夫点などを聞きました。お互いに刺激し合いながら地元の農業を盛り上げていきたいと、皆さん頑張っています。
お店が定休日の日曜日。佐々木さん一家は、自宅から車で10分ほど走ったところにある河原で川遊び。お昼はバーベキューです。網の上に並べられたのは、もちろん人道さんが育てた野菜の数々。それをおいしそうに頬張る子どもたち。いっぱい食べて、遊んで笑って…。ご夫婦にとっても、久しぶりにリフレッシュしたひとときでした。