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【9月27日放送】
楽園の住人
長月の四 長野・箕輪町
〜渓流魚の木彫り工房〜

舞台は長野県上伊那郡箕輪町。早期退職後、木彫りの渓流魚を作る工房を始めた柴和彦さん(62歳)と、妻の友子さん(60歳)が主人公です。
和彦さんの趣味は渓流釣りで、休日のたびに県外まで出掛けるほど夢中になっていました。転機が訪れたのは12年前。ある展覧会で木彫りの魚に出合い、深い感銘を受けた和彦さん。魚のことならば人一倍詳しかったので、自分でも作ってみようと思いました。そして56歳で早期退職、2009年5月、木彫り工房「渓の奏(たにのメロディー)」を開業しました。
釣り好きが高じて始まった和彦さんの“第二の人生”を紹介します。

渓流釣り歴40年の和彦さんは、伝統的な日本の竿「和竿」と水生昆虫を模した毛針を使う“テンカラ”と呼ばれる方法で釣りをします。狙うのは、“渓流の女王”と呼ばれるアマゴ。側面にある、鮮やかな赤い斑点が特徴です。
和彦さんはアマゴの美しさにほれ込み、木彫り作品を作り始めました。
作品のほとんどがアマゴなどの渓流魚です。

和彦さんの木彫り作品は、魚の動きを出すため、分厚い木から彫り出します。この日作っていたのは、胸ビレを体の側面に押し付け、早い流れの中を泳いでいるアマゴです。渓流魚の微妙な色を出すため、エアブラシというスプレーで色付けをします。何色もの絵具を混ぜて作った色彩です。
こうして、新作“岩陰に潜むメスのアマゴ”が完成しました。

箕輪町の隣、駒ヶ根市で毎年開かれている「駒ヶ根もみじクラフト展」に「渓の奏(たにのメロディー)」も出店しました。和彦さんはここに、サラリーマン時代に作った一番のお気に入り作品も陳列しました。本当に気に入ってくれる人がいれば売ってもいい、と言っていましたが…、結局売れず。
内心、ホッと胸を撫で下ろした和彦さんでした。

この日は、アマゴの塩焼きを囲んでご近所さんと親睦会です。大好きなアマゴを片手にお酒がすすんだ和彦さん、「女房が支えてくれたから、木彫り工房を始められた」と本音が飛び出しました。かつて友子さんに「アマゴと結婚すれば良かったじゃない」とまで言われた和彦さんですが、友子さんに改めて感謝していました。

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渓の奏(たにのメロディー)

渓流魚の木彫り工房「渓の奏(たにのメロディー)」は長野県内の様々なイベントに出店し販売予定です。遠方の方には、お電話での注文も受け付けしていますが、製作には時間がかかります。

電話:0265-79-1867
問い合わせ:午前10時〜午後5時
※月〜金曜
出店予定:
9月27・28日「おてんとさんぽ」
/長野県上伊那郡辰野町
10月25・26日「大鹿クラフトまつり」
/長野県下伊那郡大鹿村
10月18日〜11月16日「もみじ湖夢まつり」/長野県上伊那郡箕輪町

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