舞台は北アルプスが望める長野県大町市です。思い出の場所で昼はカフェ、夜はバーになる店を開いた池内幸子さん(50歳)が主人公です。
思い出の場所とは、子どものころに遊んだ古い倉のこと。久々に幸子さんが訪れると、倉はギャラリーとして再生されていました。その時、倉の扉に幸子さんが幼いころに書いた落書きを見つけ、運命的な縁を感じました。幸子さんは以前から飲食店を開きたいと考えていました。ギャラリーの人からカフェを開く構想があることを聞き、この倉でカフェを始めることに決めました。そして周囲の協力もあり、2013年「麻倉cafe&BAR」はオープンしました。
思い出の倉で夢をかなえた幸子さんの暮らしを紹介します。
幸子さんが作る料理は、以前から子どもの友人や職場の同僚から「おいしい」と評判でした。いつしか幸子さんが作るご飯は“サチめし”と呼ばれるようになりました。「麻倉cafe&BAR」では、幸子さん自慢の「サチめし」を昼も夜も楽しむことができます。
幸子さんはカフェを始めてからは大町市で暮らし、月に1度ほどのペースで家族の住む松本市に帰ります。自宅に帰ると、保育園などに納めるパンを作る夫の孝宇さんを手伝います。そして自慢の“サチめし”を孝宇さんに振る舞います。
松本市で暮らす長女の彩香さんが訪ねて来ました。2人で作ったアツアツの餃子を食べ、ビールで乾杯!楽しい夜を過ごした次の日、彩香さんはカフェで接客や配膳などを手伝いました。家族から心強い応援があり、「麻倉cafe&BAR」はにぎやかな店になりました。
麻倉ギャラリーの作家や近所の方々が集まって、月に一度パーティーを開きます。この日の“サチめし”は、新鮮な野菜をのせたピザです。ピザは麻倉の仲間たちが皆で造った石釜で焼きます。息子の修一郎さんも松本市から駆けつけ、幸子さんを手伝いました。