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【5月31日放送】
楽園の住人
皐月の伍 沖縄・石垣島
〜妻の夢かなえた南国のカフェ〜

舞台は沖縄県の石垣島。大阪から石垣島北部にある明石集落に移住し、カフェをオープンした多部康裕さん(59歳)と娘の寿珠さん(32歳)が主人公です。
康裕さんは、以前は中学校の美術教師をしていました。そして同僚の節子さんと結婚し、一人娘の寿珠さんが生まれました。多部さん夫婦は50代を迎えると、“第二の人生”は石垣島に移住してカフェを開こうと考えていました。しかし、移住先が決まった矢先に節子さんは卵巣がんと診断されます。治療を経て2010年、夫婦は石垣島に移住しましたが、翌年に節子さんは亡くなりました。
今年2月、康裕さんは、娘の寿珠さんの協力を得て節子さんの夢だったカフェ「ChakoCafè」をオープンさせました。温かい明石集落の人々に支えられて、ゆっくり流れる時間を楽しむ島暮らしを紹介します。

「ChakoCafè」は、明石集落では第一号のカフェです。「チャコ」とは節子さんのニックネーム。メニューはコーヒーやフルーツジュースなど、まだ簡単なものしかありません。寿珠さんがドリンクを作り、康裕さんは客たちの話し相手になります。オープンしたばかりですが、近所の方がふらっと立ち寄ったり、観光客の方々がゆっくり過ごしたりできる場所になりました。

康裕さんは明石集落の住民、新里新八郎さん、仲里剛さんと一緒に釣りへ出掛けます。この日、釣果はありませんでしたが、新里さんの家に集まって酒を酌み交わします。こんな時は寿珠さんも参加することがあります。明石集落の人々は支え合い、家族のような付き合いがあります。その理由は集落の歴史にあります。1955(昭和30)年に沖縄本島から開拓移民として入植した人々によって明石集落は作られました。移住した地でお互いに助け合って暮らしてきたからこそ、移住者を温かく迎える風習が根付いています。

最初の開拓民が、明石に入植したことを記念して行われる祝賀会が開かれました。明石集落にとって、年に一度の大切な日です。開拓の碑が立つ公民館に集落の人たちが集まり、出し物を披露し、飲食を楽しみます。締めくくりはもちろんカチャーシー。三線の音が響けば皆が自然と踊り出し、家族のような一体感を味わえます。

来年は入植60周年。康裕さんは迎え入れてくれた集落の方々に恩返しの意味を込めて絵を描きました。公民館長の吉川詩剛さんと新里新八郎さんに見てもらったのは、入植60周年を記念したポスターです。入植からの思い出が詰まった様々な場所が描き込んであり、二人ともとても感動していました。この絵は来年にはポスターや記念はがきとして使われることになるそうです。これからも明石集落の一員として島の未来を“開拓”していってください!

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ChakoCafè

康裕さんと寿珠さんが営む明石集落第一号のカフェです。コーヒーやフルーツジュースでほっと一息。康裕さんとおしゃべりも楽しめます。

電話:090-8820-1482
営業時間:午前11時〜午後4時
月曜・火曜定休

コーヒー:350円
ジュース:各300円

ペンション コーラルフィッシュ

明石集落の宿泊施設「コーラルフィッシュ」は、康裕さんの友人、柾木さん夫婦が営むおしゃれなペンションです。沖縄ならではの食材を生かした料理が自慢です。

電話:0980-84-5080
問い合わせ時間:午前9時〜午後6時

一泊二食付
1名利用:10,500円
2名利用:1人9,000円

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