舞台は、愛媛県喜多郡内子町です。生まれ育った故郷で小さな牧場を始め、大好きな馬と一緒に暮らす森井澄子さん(63歳)が主人公です。
澄子さんは下着メーカーに勤務し、キャリアウーマンとしての道を歩んでいました。30歳の時、友人に誘われ乗馬を初体験。以来、乗馬クラブに通うようになりました。ある日、可愛がっていた一頭の馬が大怪我を負い、働けなくなったことを知ると、その馬を引き取ることを決意します。そして会社を早期退職し、馬の飼育方法を学びました。2012年、たくさんの人に馬との触れ合いを楽しんでもらおうと、「ミニミニファーム・MORII」をオープンしました。
馬との出会いをきっかけに故郷へ戻り、動物との暮らしを楽しむ澄子さんを紹介します。
「ミニミニファーム・MORII」の広さは、1千坪余りです。乗馬場や放牧場、馬が一日の大半を過ごす厩舎、そして澄子さんが暮らす自宅があります。飼育している馬は、大型馬とポニー種、合わせて5頭です。大型馬は故郷に引き連れてきた芦毛のパイリーン、ボス格のジョーブラック、昼寝好きのグローリアスの3頭。そしてポニーはミニとドンの2頭です。さらに捨て猫だったチビとウサギのウーがいます。
朝一番の仕事は、馬の食事の世話です。2種類の草を混ぜ、カロリーコントロールをした牧草をやります。朝食の世話を終えたら、馬房の掃除です。床に敷いたオガ粉をふるいに掛け、排泄物を取り除きます。毎日一時間以上かける重労働です。その後も昼食・夕食・夜食と馬の世話は続きます。「基本は馬中心。その合間が自分の時間」と澄子さんは語ります。
ポニーのミニは、子どもたちとの触れ合い会に出掛けました。車の荷台に乗り込み、揺られること30分。会場のいちご園に到着です。すでにたくさんの子どもたちが集まり、ミニの登場を心待ちにしていました。ミニはおとなしいので、子どもたちも安心して乗馬を楽しんでいます。
天気の良い日は、馬たちを放牧して遊ばせます。
ストレス解消と適度な運動ができる放牧は、馬たちも楽しみにしているようです。でも新入りのドンだけは、他の馬たちといると興奮してしまうため、今までは別々に放牧していました。この日、澄子さんは、ドンを仲間たちと一緒の場所で放牧させてみました。ボスであるジョーブラックとポニーのミニがいる放牧場に、ドンを送り込みました。するとジョーブラックがドンに近づき、威嚇合戦に!徐々に慣れて、いつの日か仲良くなってほしいと澄子さんは願っています。