舞台は、山梨県北杜市です。会社を早期退職し、トレーラーハウスでカフェを開いた浜道俊次さん(48歳)と妻のかおりさん(50歳)が主人公です。
プログラマーとして電機メーカーに勤務していた俊次さんは、同じ会社に勤めていたかおりさんと結婚しました。やがて大型犬を飼い始め、自然に囲まれた場所で愛犬と暮らす生活を夢見るようになりました。そこで俊次さんは、移住してカフェを開くことをかおりさんに相談しました。45歳のとき、早期退職優遇制度を利用し退職。カフェ開業スクールに通いました。そして2011年4月、北杜市に移住。経費を削減するためトレーラーハウスを改装し、「ニコサンカフェ」をオープンしました。
目標の客数にはまだ達していませんが、夫婦二人で力を合わせ、前を向いて日々を楽しむ俊次さんとかおりさんの暮らしを紹介します。
八ヶ岳のふもと、林の中を進んでいくと浜道さん夫婦が営む「ニコサンカフェ」があります。店の看板が小さいので分かりにくいかもしれません。
料理をするのは俊次さんです。酒粕を使った野菜スープやキッシュなど体に優しい食事、そして直径20センチのクッキーなどのスイーツを作ります。雑貨が好きなかおりさんは、店内のインテリアを担当しています。夫婦それぞれの趣味が生かされた店です。
浜道家の“家族”であり「ニコサンカフェ」の看板犬が、サンタといちごです。柵を飛び越えてサンタが向かったのは、店に隣接するドッグランです。二人が移住したとき、まず作りたかったのがこのドッグランでした。自然に囲まれた場所で、愛犬たちは自由に駆け回ります。「ニコサンカフェ」を利用する方は無料で利用できます。
来客がないとき、俊次さんは大工仕事に励みます。車が通る道から少しでも目立つようにと、店の看板を作りました。そして、かおりさんは車輪のない手押し車を持ち出し、花を飾り付けました。かおりさんはカフェのエントランスを草花でいっぱいにしたいと考えています。「ニコサンカフェ」は2人の手で少しずつ育てられています。
ケーキ100個にクッキー20枚、カレー60食などを持って向かったのは甲府駅前です。駅前の広場で開催されるイベント「春のマルシェ」に出張店舗を開きました。カレーやクッキーを売るのはもちろんのこと、今回の二人の目的は「ニコサンカフェ」をより多くの人に知ってもらうことです。客に店の場所を示したカードを渡し、「ニコサンカフェ」に訪ねてもらいたいと思っています。「ニコサンカフェ」ではいつも笑顔の二人と二匹の看板犬、サンタといちごが待っています。