今回は香川県小豆島町が舞台。実家の古民家を改装し、ギャラリーを始めた尾崎裕子さん(57歳)と夫の清人さん(58歳)が主人公です。
裕子さんは、小豆島の高校で家庭科教師をしていました。37歳の時、観音寺市の学校へ転任し、家族で小豆島を離れます。新天地で裕子さんが夢中になったのはギャラリー巡りでした。そんなとき、難病であるクローン病と診断され、「命には限りがある」と自分の人生を見つめ直し、54歳で早期退職。単身小豆島へ戻り、実家の改装を始め、2013年4月、「ぎゃらりぃ松尾」をオープンしました。
教え子や元同僚など懐かしい知人が訪れ、「皆が、また訪ねたくなるようなギャラリーにしたい」と願う裕子さんと、裕子さんを全力で支える清人さんの物語を紹介します。
裕子さんが生まれ育った築85年の実家を改装し、ギャラリーとしてよみがえらせました。昔ながらの趣が残る空間に、様々な作品が展示されています。年に数回展示物が変わり、作品ごとで異なった雰囲気を味わえます。また、裕子さんが長年かけて集めた骨董品の数々も、展示内容に合わせて飾り付けられています。「ぎゃらりぃ松尾」は裕子さんのセンスがあふれています。
小豆島と海を隔てた香川県観音寺市で暮らす夫の清人さんは、孫の結菜ちゃんと陽菜ちゃんの面倒を見るのが日課になっています。裕子さんがギャラリー開業の準備をするため、清人さんも学校を早期退職しました。今は“尾崎裕子応援団長”として裕子さんを支えています。離れた場所で暮らしていても、心は通じ合っている2人です。
夫婦で訪ねたのは小豆島高校です。裕子さんの母校であり、2人が出会った思い出の場所でもあります。去年、「ぎゃらりぃ松尾」をオープンしたとき、取材に来た写真部の部員たちに、展示会の開催を伝えるためにやってきました。そして、同僚だった先生が集まり、記念写真を撮影。また一つ、良い思い出が出来ました。
久しぶりに小豆島の家に家族が集まり、バーベキューをしました。バーベキュー台は裕子さんの父・隆治さんが作りました。仲の良い家族の象徴でもあります。笑い声にあふれ、たくさんの思い出が詰まった実家を、裕子さんは両親への感謝の気持ちを込めて改装し、ギャラリーとしてよみがえらせました。新たに孫も加わり、再び家族そろってバーベキュー台を囲む…。感慨もひとしおです。家族みんなが裕子さんに感謝しています。