今回は愛媛県松山市が舞台です。松山市で初めてとなる観光いちご農園を始めた安田豊さん(66歳)と妻の真知子さん(64歳)が主人公です。豊さんは愛媛県の職員として働きながら、実家の農業を手伝い続けていました。定年退職後、イチゴ栽培に目を付けた時、息子から「一緒にイチゴ狩りを始めよう」と提案がありました。そして2013年、「いちごファーム北条」をオープンしました。農園には多くの客が訪れるようになり、食べ放題の甘いイチゴをほおばり、みんな笑顔になっています。
息子の提案をきっかけに、第二の人生を歩み始めた安田さん夫婦の明るい暮らしを紹介します。
「いちごファーム北条」では4カ所のハウスでイチゴ狩りが出来ます。豊さんによるイチゴの摘み方指導を受けると、来場者は60分で思う存分にイチゴを食べることができます。豊さん自慢のイチゴをお腹いっぱい楽しめるので、子どもから高齢の方まで多くの人が訪れています。
休日は来場者が多くなるため、摘むことが出来るイチゴが足りなくなることがあります。そんな時は、近所のイチゴ農家に客を受け入れてもらいます。この日は、イチゴを栽培して20年の経験を持つ徳永さんにお願いしました。「いちごファーム北条」にとって近隣の農家の協力は欠かせません。
農家が集まって懇親会が開かれました。三男の俊彦さんや徳永さんの息子のような若手の農家も参加し、地元の農業の将来について話し合いました。豊さんは「農業も人作りが大切」と考えています。頼もしい若い二人が、北条地区の農業にとって心強い存在です。
安田家の子どもや孫たちが大集合!真知子さんが腕を振るった料理が並ぶ夕食の時間です。この夕食会は愛媛マラソンに参加する次男・博則さんの応援方法をどうするか―その打ち合わせも兼ねています。去年から安田さん家族は、愛媛マラソンのランナーにイチゴを配って応援しているのです。
今年で52回目を迎えた愛媛マラソン。愛媛県庁前から約8500人のランナーがスタートしました。安田さん家族はマラソンの距離に合わせてイチゴを42.195キログラム用意。「いちごファーム北条」前を通過するランナーに配りました。イチゴパワーで元気になるランナーたちの姿を見ていると、安田さん家族も元気になりました。