今回の舞台は神奈川県横須賀市。両親の残した田畑を再生しようと、夫婦で新規就農した山田孝志さん(61歳)と妻の弘子さん(57歳)が主人公です。
孝志さんは専業農家で生まれ育ちました。地元の農協に就職し、融資や貸付などを担当する金融畑一筋で働きました。勤めに出ているときも、いずれは実家の田畑を生かしたいと考えていました。地元に初めて大型の農産物直売所が出来たことを契機に退職を決意。弘子さんと一緒に農業を始めることにしました。今では“幻の味”とも言われる三浦大根を生産し、横須賀を盛り上げようと励んでいる山田さん夫婦を紹介します。
農家に転身した孝志さんの一日は、野菜の収穫から始まります。畑では地元の名産、三浦大根を育てています。三浦大根は一般的な青首大根に比べて、土に埋まっている部分が太く、抜くのに力が必要です。その他にも珍しい野菜を量は少しずつですが、多くの品種を栽培しています。採りたて野菜は毎朝、農産物直売所「すかなごっそ」に納品されます。
弘子さんの担当は、漬物など野菜の加工品です。珍しい三浦大根のジャムも作っています。少しでも多くの人に三浦大根の美味しさを知ってもらおうと、「すかなごっそ」の企画で考えられました。元々ジャム作りをしていた農家のお母さんたちに白羽の矢が立ちました。朝からジャムを作っても、30~40本しかできないそうです。
山田家で開かれたのは、孝志さんが代表を務める神輿の会の親睦会です。採りたての野菜を使った弘子さんの料理が振る舞われます。孝志さんは若いころから神輿を担ぐことが趣味の一つで、今ではボランティアで神輿の修繕もしています。「人生で大切なことは、全て神輿から教わった。」と、孝志さんは胸を張ります。
今年の初物のタケノコを収穫するために、長女のさゆりさんと孫の遼太朗くんが訪ねて来ました。遼太朗くんにとって初めてのタケノコ掘りです。孝志さんは張り切ってたくさんのタケノコを掘りました。採りたてのタケノコの味は・・・まだ遼太朗くんの口には合わなかったようです。遼太朗くんと一緒に農作業をする日を孝志さんは楽しみにしています。