舞台は奈良県大和郡山市。地元で採れた新鮮な野菜が並ぶ朝市を開いた親戚5人が主人公です。メンバーは片山和之さん(73歳)、しげ子さん(66歳)夫婦。和之さんの実姉、中西恒子さん(75歳)と光さん(76歳)夫婦。そして、しげ子さんの実姉、岡本清枝さん(69歳)です。
親戚同士の5人は、それぞれ定年を迎え、“第二の人生”について考えていました。そんな時、奈良県農民連が朝市を開く場所と人を探していることを知りました。新たな生きがいを求め、5人は朝市を開くことを決意。施設は自分たちで手作りしました。そして2007年5月、九条駅の近くに「九条朝市」をオープン。開店の1時間前から行列ができる人気の朝市になりました。
毎週土曜日に開かれる「九条朝市」で、人々とふれあい、地域を元気にしている主人公5人の心豊かな日常をお届けします。
「九条朝市」は田園の中で開かれます。地元で採れた農作物を求めて、早朝から多くの客が集まってきます。朝8時。さぁ、開店です!
広さ6坪ほどの小さな朝市は、親戚5人で始めました。会計を担当するのは、3人の女性です。電卓を片手に計算するのが片山しげ子さん。商品を読み上げるのは中西恒子さん。岡本清枝さんはそろばんをはじいて会計をダブルチェックします。一方の男性陣、中西光さんは自分で野菜も育てています。片山和之さんは「九条朝市」の総監督です。
朝市を始めてから、親戚同士のつながりが一層強くなりました。
「九条朝市」に並ぶのは、野菜だけではありません。この日は、しげ子さんの自宅にある加工場で、五平餅を作ります。
食品加工のリーダーはしげ子さんです。清枝さんと恒子さんは初めて五平餅を作るので、悪戦苦闘…。五平餅に続いてはエビ餅を作ります。つき上がったエビ餅を切るのは力仕事。ここで登場するのが、和之さんです。この後はあんこがたっぷり入った草餅も作りました。みんなが力を合わせて作る餅菓子は「九条朝市」で大好評です。
5人がやってきたのは、奈良県庁です。この日、奈良県の食の魅力を発信する「出会い大和の味フェアー」が開かれました。「九条朝市」も野菜と加工品をもって出張朝市を開きます。
手作りした五平餅は持ち帰り用だけでなく、その場で焼いて販売もします。香ばしい匂いに誘われて、たくさんの人が集まってきました。「九条朝市」特製の五平餅は人気上々です。
朝市の営業後、隣にある畑で行われたのは、総勢30人の小学生たちによる「玉ねぎの植え付け体験」です。しげ子さんが参加する「子供の食を考える会」が主催し、「九条朝市」の5人が協力します。子どもたちを指導するのは元校長先生の光さんです。この日のために、玉ねぎの苗を育てておきました。
美味しい玉ねぎが育つように、子どもたちは一生懸命植え付けします。最後は、竹べらに名前を記して、自分が植えた苗の目印にします。
「九条朝市」の皆さんも子どもたちとの素敵な時間を過ごせました。