今回は、大分県津久見市が舞台。昔から地元で食卓に並んでいた小アジのすり身天ぷらの作り方を受け継いだ秋田進さん(61歳)と、夫を陰で支える妻のとよ子さん(60歳)が主人公です。
津久見市で育った進さんは、小アジのすり身天ぷらを作っている飲食店が、後継者を探していることを知り、名乗りを上げました。そして、印刷業から転職した髙木浩さんと二人で今年6月「浜市場」をオープン。すり身天ぷらを中心に地元の加工品や野菜などを並べ、多くの客が来店しています。
町の伝統の味を残そうと奮闘する秋田進さんとその仲間たちの日常を紹介します。
「浜市場」では、早朝からすり身天ぷらを作ります。小アジをミンチにするのは支配人の進さん、石臼での練りは社長の髙木さんが担当します。型作りはパートさんたちが加わり、最後の揚げは仲村さんと3人で行います。仲村さんはすり身作りの師匠、加茂紀代子さんの妹です。こうして約800枚のすり身天ぷらが出来ました。
淡路島へ嫁いだ長女が帰郷してきたので、この日は進さんの母・昭子さんを含めた4人での夕食になりました。話題は、家族で津久見市へ移住することが決まった次女家族のこと。アパートの契約が終わり、あとは家族を迎え入れるだけです。進さんも、孫が近くに引っ越して来るのを楽しみにしています。
この日「浜市場」の調理場では、進さんと髙木さんが新しい天ぷらを作っていました。試作しているのは、マグロを使ったすり身天ぷらです。今まで何度か作ってみましたが、商品化には至りませんでした。今回は、改良を加えたマグロのすり身天ぷらと、それに山椒を混ぜた天ぷらの二種類を試作しました。
師匠や地元の料理人を呼んで、まぐろすり身天ぷらの試食会が行われました。皆、山椒入りのマグロ天ぷらにご満悦の様子です。さらに、師匠の加茂紀代子さんが「アジの天ぷらより美味しいかも」と、太鼓判。商品化に向けて大きな一歩になりました。