今回は北海道中川町が舞台です。中川町の土を使った陶器を地元の特産品にしようと奮闘している石井健一さん(67歳)と、妻の雅子さん(60歳)が主人公です。中川町で生まれ育った健一さんは、地元には特産品が少ないことから、土産品になるような名物を作ろうと考えていました。そこで、陶芸が趣味の雅子さんと一緒に、2011年、「誉平焼(ぽんぴらやき)」と名付けた焼き物を作り始めました。
地元の人々も土産品が増えると喜び、「誉平焼」に使う粘土を掘り出す作業を手伝ってくれます。
陶器作りに汗を流す石井さん夫婦の北国ならではの暮らしを紹介します。
健一さんと雅子さんが作る「誉平焼(ぽんぴらやき)」は、陶芸用粘土と中川町の粘土をブレンドしたり、釉薬に中川町の粘土を混ぜたりしたオリジナルの陶器です。夫婦で焼き方などを試行錯誤した末に完成しました。様々な風合い、色合いがある陶器は、夫婦の努力の結晶です。
雅子さんが陶芸を作る「夢創窯(むそうがま)」は、自宅の横にあります。中では、陶芸歴20数年の雅子さんと、まだ初心者の健一さんが陶器を作っています。ひとつひとつ、より良い出来になるように二人とも細心の注意を払って作っています。まだろくろを巧みに扱えない健一さんは、独り立ちに向けて練習中です。
秋を迎えた北海道のだいご味が、海でのサケ釣りです。川を遡上する前の脂が乗ったサケを釣り上げます。未明から浜頓別町に出向き、12本の竿を投げあたりが来るのを待ちます。この日の釣果は、オス3匹とメス1匹の計4匹でした。陶芸の時とは立場逆転、健一さんは雅子さんに自慢の釣りの腕を披露出来て満足気です。
旭川市に住む娘と孫を呼び、釣ったサケを半身使って、ちゃんちゃん焼きパーティーを開きました。孫たちが美味しそうに食べる姿を見て、健一さんも満足そうです。雅子さんとは、お互い子どもを連れた再婚同士で、温かい家族を築いています。