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【10月19日放送】
楽園の住人
神無月の参 徳島・美波町
~小さな漁村の海女カフェ~

舞台は徳島県美波町にある漁村、伊座利地区です。海女漁を続けながらカフェの代表を務めている磯田由利子さん(66歳)と、夫の友春さん(72歳)が主人公です。伊座利で生まれ育った由利子さんは中学校を卒業後、大阪の理容学校へ進みました。そして21歳の時、友春さんとの結婚を機に故郷へ戻りました。そのころから伊座利は過疎が進み、人口は減少していました。伊座利にもっと人を呼ぼう―と、地域の人たちが立ち上がり、海の自然体験イベントなどを企画。地域おこしの拠点としてカフェを開くことになりました。そして2007年10月、由利子さんをはじめ伊座利に住む7人の女性が働く漁村カフェ「イザリCafe」がオープンしました。
今では県の内外から人が訪れ、伊座利に活気が戻っています。
故郷を元気にしようと頑張る、磯田由利子さんと伊座利の人々の、素敵な暮らしを紹介します。

「イザリCafe」―その店名の由来は、食事だけではなく景色を楽しんだり、交流の場にしたりしてほしいという思いから“食堂”ではなく“カフェ”と名付けました。酒蒸ししたあわびが丸ごと入った「あわびカレー」や「あわびのバター焼き」など、海女漁が行われている期間は、新鮮なあわびを使った料理がお客様のもとへ運ばれます。

伊座利では機会があるごとに人が集まります。この日も漁に関わる人たちが集まり一緒に食事をしました。皆が家族のように暮らす、伊座利には移住者も増えました。大阪から移住して漁師となり、3人の子どもが生まれた家族もいます。新たに来た人たちに“伊座利の良さを継いでいって欲しい”と由利子さんは考えています。そんな由利子さんの思いは、伊座利を愛する皆の思いでもあります。

由利子さんと友春さんが海女漁に出ます。夫婦はいつも二人で、船に乗ってきました。生まれ育った伊座利の海。漁のポイントは熟知しています。水中に潜り、ノミと呼ばれる道具を使ってあわびを岩からはがします。どちらがあわびを多くとったのか―夫婦で海に潜って44年。漁に出るとき、二人は常にライバルです。

海女漁のことを知ってもらおうと、去年から「海女さん体験塾」を始めました。今回は由利子さんが講師となり、女性2人が参加しました。磯田さん夫婦の次男、真さんもインストラクターを務めます。「海女さん体験塾」の後には、子どもたちも加わり、「あわび料理体験」も行われました。伊座利の自然を学び、伊座利の自然をおいしくいただく。充実した1日になりました。

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イザリCafe

「イザリCafe」は港のすぐ目の前にあります。あわびや伊勢海老などを使った料理は、それぞれの旬の季節に食べることが出来ます。11月からは定置網漁も始まり、刺し身定食もお勧めです。
2階には港の景色を楽しめる宿泊施設もあります。

電話:0884-78-1186
営業時間:午前11時~午後3時
月曜定休
※日によって魚が無い日があります。また、閉店が早まることや臨時休業があります。来店前に電話で確認してください。

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