舞台は長野県東御市。浅間山を望む小高い山の中腹に、自宅を兼ねた保存食の工房を構えた伊東純一さん(59歳)と妻の裕子さん(55歳)が主人公です。
伊東さん夫婦は趣味のアウトドアを満喫できる土地で暮らしたいと思い、2000年に東御市でペンションを建て始めました。しかし、様々な問題が発生し、ペンション建設は頓挫してしまいます。そこで新たな暮らし方を模索した結果、以前から夫婦で作っていた保存食の工房を思いつきます。そして2008年、ジャムやピクルスを製造販売する工房、『クイーン・ハーベスト』をオープンさせました。
田舎暮らしを夢見て移住した伊東さん夫婦の新たな出会いを楽しむ日常を紹介します。
『クイーン・ハーベスト』には地元で採れる旬の果物や野菜を使ったジャムやピクルス、マスタードがたくさん並べてあります。ラベルも全て二人の手作りです。この日ジャムを求めてやってきたお客さんに、自家製の菓子をサービスしました。
ジャム作りに欠かせない旬の果物を求め、移住後に知り合ったブルーベリー農家を訪ねました。ブルーベリーの収穫を手伝い、分けてもらいます。収穫後は、自宅に戻ってジャム作りです。使う材料は、ブルーベリーと砂糖だけです。厳選された果物を使うので、『クイーン・ハーベスト』のジャムの甘さは抑えめ。優しい味わいを感じることが出来ます。自慢のジャムが出来上がりました!
ピクルスも夫婦で一緒に作ります。純一さんは、以前、水質検査の会社に勤めていたので、その経験を生かし計量を担当。裕子さんは、野菜のカットや瓶詰めなどを担当します。それぞれの得意分野で作業することが、見た目も鮮やかなピクルスになる秘密です。
今回、初めて仕入れた「あかつき」という品種の桃でジャムを作ります。堅く酸味のある桃を選ぶのがポイント。形がゴロッとした食感を楽しめるジャムが完成しました。
新作ジャムを持って、地元のチーズ工房を訪ねました。試食してもらうと「二人にしかできない味よ」と称賛の言葉をいただきました。
月に一度、伊東家では近所の仲間を集め宴会が開かれます。料理が得意な伊東さん夫婦は、自慢のメニューでおもてなし。無国籍の料理が次々と運ばれてきます。美味しい料理を囲んで、ワインを味わい、皆さんの笑顔も弾みます。
『クイーン・ハーベスト』は、地域の交流の場にもなっています。