今回は香川県さぬき市で、2年前に「ジェラートcaju×果樹」をオープンした木村清文さん(62歳)と悦子さん(57歳)夫婦が主人公です。ジェラートはすべて手作り。店の隣にあるビニールハウスや畑で育てているブルーベリーなどの果実、さらに地元農家から仕入れているイチゴやはっさくなどを使っているのが自慢です。
県庁職員だった清文さんには、定年退職後は香川県の果実を生かし、地域の活性化に貢献したいという熱い思いがありました。その方法としてジェラート店開業を思いつき、準備を進めていました。しかし定年1カ月前、くも膜下出血を患い、倒れてしまいました。そのころ小学校で教頭を務めていた悦子さんは依願退職。清文さんを支えながら一緒にジェラート店を始めることを決意しました。こうして2011年7月、「ジェラートcaju×果樹」が開店しました。
香川の果実を使い、お客さんに喜ばれるジェラートを作る木村さん夫婦の日々を紹介します。
「caju×果樹」のジェラートは、清文さんと悦子さんの工夫があって誕生しました。通常、ジェラートはフリーザーという機械で食材となる果実を混ぜて作ります。しかし「caju×果樹」では、ベースとなるミルクジェラートにコンポートした果実を手作業で混ぜます。この方が果実の味や食感を生かせるそうです。香川の新鮮な果実を堪能できるとクチコミで評判になり、常連客が増えています。