舞台は宮城県仙台市若林区。農家レストラン「畑の中のごはん屋 ちょっこら」を営む加藤一さん(60歳)と妻の和江さん(55歳)が主人公です。
専業農家として、農作物の収穫を続けてきた加藤さん夫婦。転機となったのは、2011年3月に起きた東日本大震災でした。自宅は半壊し、畑の一部は津波の被害を受けました。ボランティアの人々にがれきの撤去などを手伝ってもらったことから、人と人との絆を感じました。そして自分たちも人々が笑顔になれるような場所を作り、力になりたいと考えました。こうして2012年12月「畑の中のごはん屋 ちょっこら」が誕生しました。
自家製の新鮮野菜を使い、おいしくヘルシーな料理を提供する農家レストランを始めた、加藤さん夫婦の日常を紹介します。
旬の野菜をふんだんに使った「ちょっこら」の料理です。この日は、サラダかぶの浅漬け、しそパスタのレタス包み、そして大根おろしと米粉をまぜて焼いた大根もちなどを、お客さんに味わってもらいます。どれもこれも和江さん自信の料理です。
営業中、接客と配膳を担当しているのは夫の一さんです。農家レストランを始めるまでは、農業一筋。接客の経験はまったくなかった一さんですが、オープンから半年が過ぎ、ようやく接客業も様になってきました。お客さんも、不器用ながら心温まる一さんの接客に満足のようです。
農家レストランを始めてからも、加藤さん夫婦の本業はあくまでも農業です。この日は、朝の5時から大根の収穫です。大根を抜くのは手慣れていますが、畑が広いのでとても時間がかかる作業です。自分たちが育てた野菜で、大勢の人に喜んでもらいたいと思いながら、収穫に励みます。
和江さんは開店半年の節目に、感謝祭イベント「ちょっこら市」を企画しました。「ちょっこら市」では、野菜を直売したり、食事を振る舞ったり…。さらに和江さん演出の創作劇も披露します。今まで、「ちょっこら」に食べに来た方々にお知らせを送りましたが、どれくらいの人が来てくれるのか、不安と期待でいっぱいです。
「ちょっこら市」当日。手伝ってくれる近所の方々と、大勢のお客さんを迎えました。野菜の直売やコンサートも大盛況。和江さんと近所の婦人たちによる創作劇も、大勢の人から拍手を送ってもらいました。農家レストランを始めて半年、「ちょっこら」は「人々が笑顔で集う場所」になっています。