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【6月8日放送】
楽園の住人
水無月の弐 東京・羽村市
〜キルト楽しむ お家カフェ〜

舞台は都心のベッドタウン、羽村市。静かな住宅街にある自宅を改装し、パッチワークキルトの作品を飾ったお家カフェ、『茶房きると』を開いた横山敦子さん(68歳)が主人公です。

敦子さんは元々パッチワークキルトの講師として活躍していました。8年前に夫が病死し、泣いてばかりいられないと一念発起。自宅を改装後、2010年に『茶房きると』をオープンさせました。
家族や仲間たちに応援されながら、充実した毎日を送る敦子さん。その毎日には、女性が一人で楽しく暮らすヒントがいっぱいです。

『茶房きると』では、野菜たっぷりのランチや自慢のコーヒーと共に、パッチワークキルトを楽しむことが出来ます。アンティークな雰囲気の店内には、敦子さんが30年以上続けてきたパッチワークキルトの数々が展示されています。お客さんは主に地元の女性たち。食事を終えた後、敦子さんの大作パッチワークをお披露目します。敦子さんの作品は和の色合いが特徴。1ミリから2ミリという細かい手縫いで何年も掛けて作られた作品に、感動する皆さんでした。

小さな小さなパーツを手縫いでちくちく…。地道な作業が続くのがパッチワークキルトです。1枚1枚布を断ち、配色を考え、小さなモチーフを作り、それらを合体させ大きな作品に仕上げていきます。使う布は、かつて着物として羽織っていたものや帯、布団などです。様々な用途で使われて、色んな人の思い出が詰まっているものばかりです。人々の思いをつなぎ、長い時間を掛けて作品が出来上がった時が敦子さんにとってたまらなく嬉しい瞬間です。

敦子さんを支える仲間たちを紹介しましょう。
ローストハウス『豆香』の店主、藤巻小百合さん。『茶房きると』で出すコーヒーの豆は『豆香』で仕入れます。敦子さんは、以前から藤巻さんが焙煎するコーヒーのファンでした。『茶房きると』を始めるときには、コーヒーのいれ方を習いました。
そして埼玉県入間市に住む妹の恵子さん夫婦。恵子さんの夫、洋志さんが育てた新鮮野菜は、『茶房きると』で出すランチのメイン食材です。敦子さんがカフェを立ち上げた時、恵子さんは料理を手伝ってくれました。今でも、こうしてバックアップをしています。
心強い味方がいるからこその充実したシングルライフです。

敦子さんは料理の段取りが苦手なので、早くからランチのおかずを仕込みます。妹の恵子さんからもらった新鮮野菜をふんだんに使います。今でも料理の失敗をすることがありますが、徐々に腕を上げてきました。自信料理はキーマカレーです。この日は、親友の二人がカレーを注文。「掛け値なしにおいしい」と大好評でした。しかし盛り付けに関しては、「もっときれいに並べたら…」とダメ出しされてしまいました。
親友だからこその厳しい助言です。でも、また一歩前進ですね。

『茶房きると』の定休日。自宅で取り出したのは30代の時に1年以上かけて作った思い出のパッチワークキルト作品です。敦子さんはとても立派なこの作品をテーブルに広げ、突然はさみでチョキチョキ切り刻み始めました。「私が死んだらあの世に持って行けないから、加工して少しずつ整理していければ」と敦子さんは話します。細かいパーツに分け、ミシンで縫い合わせ、綿を入れ、出来上がったのはなんとクマのぬいぐるみ!服からパッチワークキルトに、そして今度はクマのぬいぐるみに…。これから布にとっての“第3の人生”が始まります。

この日敦子さんが訪れたのは、夫・健治さんが眠る墓。健治さんの月命日には欠かさず家族の近況を報告します。
健治さんは生前、「退職後、キャンピングカーで敦子さんと一緒に全国をまわることが夢だ」と話していました。健治さんの夢はかないませんでしたが、「後の人生、元気に過ごしていることが一番喜んでもらえる」と敦子さんは考えています。
いきいきとカフェ店主を務め、パッチワークキルトに打ち込む姿を、健治さんはきっと見守ってくれていることでしょう。


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羽村市役所

羽村市には多摩川沿いの自然を満喫できるウオーキングロードがあります。
景色を楽しみながらのんびりと散歩を楽しんでみてはいかかでしょうか。

TEL:042-555-1111
問い合わせ時間:午前8時30分〜午後5時15分

茶房きると

敦子さんが営む『茶房きると』。
野菜たっぷりのランチや自慢のコーヒーを味わいながら、敦子さんのパッチワークキルトの世界を楽しむことが出来ます。

TEL:042-555-2044
営業時間:午前11時〜午後2時(ランチ)
午後3時〜午後6時(コーヒー・デザートのみ)
予約不可
日・月曜定休

ランチセット1300円
※1日20食限定
カレーセット1200円

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