千葉県勝浦市が舞台。主人公は田舎暮らしを楽しむ狩野報凱(かのうつぐよし)さん(67歳)です。報凱さんが移住の条件に掲げたのは“竹やぶや川があり、ニワトリが飼えて海も近い”自然豊かな場所。7年前、勝浦市の山間に理想の場所を見つけ、東京から移住しました。晴耕雨読で半自給自足の暮らし。充実した毎日ですが、妻に先立たれた男の一人暮らしは寂しい時もあります。しかし報凱さんの自宅は、週末ともなれば大勢の来客でにぎわいます。趣味の大工仕事を生かして人が集まれる空間を作ると、家族や友人が仲間を連れてどんどん遊びに来るようになりました。ちょっぴり寂しく、時ににぎやかな、男ひとりの田舎暮らしを紹介します。
報凱さんは理想の地で一軒家を購入しました。約20種類の野菜を育て、ウコッケイを飼い、家のリフォームをする日々。時には海に出て大好きな釣りを楽しみます。この日は小ぶりのマアジを釣りました。報凱さんには毎日やることがたくさんあります。
週末、親せきの亀井仁さんが3人のフィンランド人を連れてやって来ました。報凱さんはタケノコ掘りを体験してもらおうと山まで案内しました。フィンランドではタケノコを食べる習慣がないそうです。里山の春の恵み、掘りたてのタケノコを生で食べ、皆さん大満足です。
山菜取りも体験したフィンランドからのゲストたち。報凱さん自慢の囲炉裏を囲みお待ちかねの昼食です。報凱さんが寿司を握り、タケノコはそのまま焼きました。山菜の王様『タラの芽』は天ぷらにしました。素朴で味わい深い日本の春の味を堪能。訪れる人々の喜ぶ姿が、報凱さんの楽しみです。
月に一度、報凱さんは隣のいすみ市にある天徳寺を訪ねます。妻の則子さんのお墓参りのためです。天徳寺では遺骨を直接土に埋葬し、墓標として木を植える自然葬のひとつ、樹木葬を行っています。墓標の木は、則子さんが大好きだったハナカイドウです。アウトドアを通じて知り合い、家族でキャンプなどを楽しんだご夫婦。報凱さんは則子さんを自分の傍に、そして自然の中に埋葬してあげたかったそうです。ハナカイドウは、今年もきれいな花を咲かせました。