今回の舞台は広島県安芸太田町。亡き妻との思い出の町で、ステーキハウスを始めた加藤英生さん(64歳)が主人公です。
2003年に妻・器子(たかこ)さんが49歳で亡くなりました。英生さんは地質調査の仕事を続ける中、器子さんと将来スキー場に近い安芸太田町で暮らそうと話していたことを思い出しました。そして2010年に倉庫を借りて安芸太田町へ移住しました。移住後、孫のために小遣いを稼ごうと、2011年12月ステーキハウス「North(ノース)」を開店しました。オープン当初は、英語の店名が書かれた看板に戸惑った町の人々ですが、今では毎週のようにステーキを食べに来る常連客がいます。町の人々に応援され、ステーキハウスを営む加藤英生さんを紹介します。
「North」の看板メニューは、英生さんが自信を持って焼き上げるビーフステーキです。若い人向けのメニューだと思われるかも知れませんが、肉は軟らかくジューシーなので、高齢の方でも美味しく食べることができます。
開店前、英生さんが向かったのは、近所に住む栗栖さん夫婦の畑。この畑で作られる野菜を、店用に分けてもらっています。「North」のおかげで町にやってくる人が増えたことを、栗栖さん夫婦は喜び、英生さんに協力しています。
まきストーブを使って、手作りピザを焼いている英生さん。店内が混み始めると、あまりの忙しさに焼きすぎてしまうこともしばしばだそうです。リタイア後、一から始めたステーキ店ですが、美味しい料理を食べてもらおうと英生さんは奮闘しています。
高齢化が進む安芸太田町。「North」の近くにも、空き家が増えている地域があります。英生さんはこの地域を元気にするため、知り合いの建築士と協力して、レストランやゲストハウスを作ろうと考えています。地域の方々の協力のもと、英生さんによる安芸太田町の町おこしが始まっています。
若い頃から妻の器子さんと頻繁に訪れていた恐羅漢スノーパーク。しかし、ここ10数年ほどは一度も来ることはありませんでした。この日は、長女の聖子さん、そして孫の太陽君と一緒に親子三代そろってのスキーです。妻との思い出があふれるスキー場で思う存分に楽しみました。