雄大な景色が広がる北海道上富良野町。ここにアットホームな雰囲気が魅力の「旅の宿ステラ」を開いた朝倉修さん(62歳)と妻の暁子さん(62歳)が主人公です。仕事で上富良野町を訪れた修さんはそこで見た景色と夜空の美しさに感動。定年退職後には、この町で暮らそうと考えるようになりました。美しい自然があふれる上富良野町をたくさんの人に知ってもらいたいと修さんは宿を始めることを思いつきます。人をもてなすことが大好きな暁子さんも大賛成。修さんは定年を待たずして2006年55歳で会社を退職。夫婦で上富良野町に移住し、「旅の宿ステラ」をオープンしました。夫婦の温かさが人を呼び、今では宿泊客だけでなく、近所の方々の交流の場として地域に欠かせない存在になりました。雄大な景色の中、人々を魅了する宿を営む朝倉修さんと暁子さんご夫妻の日常を紹介します。
朝倉さんご夫婦は、宿泊客用の食材を調達しようと近所の農家、松岡さんの畑に来ました。お目当ては雪の中に埋めてある野菜。雪は天然の冷蔵庫。冬の間、保存ができ、さらに野菜の甘みが増していきます。野菜を掘り起こした後はひと休み。松岡さんがいももち入りのお汁粉を振る舞ってくれました。移住して知り合った地元の農家。ステラを支えてくれる頼もしい仲間です。
ステラの夕食は暁子さん自慢の北海道の家庭料理です。この日は、暁子さんの故郷からニシンを糠(ぬか)に漬けた“糠(ぬか)にしん”が届いたので、野菜と一緒に煮込んで三平汁を作りました。牛乳豆腐と水菜のあえ物やかみふらのポークのすき焼き、ジャガイモの牛乳煮など、地元の材料を使った料理が並びます。暁子さんの手料理を楽しみにしている宿泊客は大絶賛。その喜ぶ姿に暁子さんも大満足です。
夕食後、宿泊客を連れて吹上温泉「白銀荘」へ。雪にすっぽり包まれた源泉掛け流しの露天風呂にのんびりと浸かります。
冬のステラの楽しみはまだまだここから。夜は朝倉さんご夫婦が庭に作ったかまくらで雪見酒です!宿泊客に喜んでもらうのが何よりの楽しみなご夫婦。そのためのアイデアは尽きません。
町内の新年会はオープン当時からステラが会場です。集まった方々はほとんど農業や酪農に携わっています。皆さん、ステラでの新年会を毎年楽しみにしています。そして「とても親しみやすい」と朝倉さんご夫婦への思いを話してくれました。上富良野町の一員として温かく迎えてくれた皆さんに、感謝の気持ちでいっぱいの修さんと暁子さんです。