三重県松阪市飯高町が舞台。美しい清流の里でクレソンの栽培を始め、自慢のクレソンを使った料理店「はぜの風」を開いた北川京子さん(60歳)が主人公です。
8年前に、夫の督郎さんをすい臓がんで亡くした京子さん。生前、督郎さんが世話をしていたわさび田からクレソンが自生していることに気付きます。最初はクレソンには全く興味が無かった京子さんでしたが、仲間のアドバイスがきっかけで、クレソンの栽培を開始。そして2009年12月、クレソンの創作料理店「はぜの風」をオープンします。クレソン鍋やクレソンの白あえなどクレソンが主役の料理を味わえます。またクレソンだけでなく、京子さんは地元の魅力を多くの人たちに伝える活動も始めました。地元の仲間と協力し故郷おこしに奮闘する北川京子さんの日常を紹介します。
松阪市内4つの小中学校の給食で京子さんが育てたクレソンが使われています。この日の献立は「クレソンのごまあえ」。クレソンはゆでてもシャキシャキ感が残るのが特徴です。子どもたちも「ちょっと苦くておいしい!」とクレソンが大好き。京子さんが育てるクレソンは飯高町の子どもたちに親しまれています。
日々、京子さんはクレソン料理のレパートリーを増やそうとアイデアを練っています。挑戦したのはクレソンうどん。以前作ったときはクレソンの粉末を生地に混ぜてみました。今回はより香りを立たせるために、粉末に加えクレソンのみじん切りを入れてみました。うどん作りを習ったことがある京子さん。その腕前は本格的です。ほんのりクレソンの香りが漂う緑色の麺。コシもあるクレソンうどんが出来上がりました。
大阪から移住してきた近所の臺尚さんは京子さんの良き相棒です。京子さんにクレソンの栽培を勧めてくれた方でもあります。自然のことに詳しい臺さん。波瀬の自然の恵みを、暮らしの中に取り込もうと色々なアイデアを提案してくれます。その一つがもみじを使った箸置き。この季節ならではの知恵が生きています。自然の中にはお宝がいっぱいです。
クレソン栽培を始めた結果、地域に若者も集うようになりました。関西学院大学の学生たちと交流がある京子さん。学生たちは休耕田をクレソン畑にするなど栽培の手伝いをしてくれます。雑草で荒れていた畑がすっかり奇麗になりました。