兵庫県の南西部に位置する佐用町が舞台。古民家と棚田が懐かしい風景を織りなす目高集落に移住した阪上好延さん(70歳)と妻の令子さん(69歳)が主人公です。
好延さんは移住後間もなく、目高が限界集落であることを知りました。“移り住んだこの集落に元気を取り戻そう”と、二人は様々な活動を始めました。
“人の幸せの花をたくさん咲かせたい”と願う好延さんと、そんな夫を陰で支える令子さん。限界集落で始まった夢の村作りの第一歩を紹介します。
この日、目高へ通じる山の遊歩道で散策会が開かれました。上月城跡から目高へと続く全長7キロのコース。この地の歴史と美しい自然を多くの人に知ってほしいと思った好延さんが、地元の方に相談してできた道です。好延さんの移住先である頂上のカントリーハウス前で、参加者を待っていたのは妻の令子さん。持ち寄った弁当を広げる皆さんに、手作りの味噌汁をふるまいます。山歩きで疲れた体に温かい味噌汁。とても喜んでもらえました。
この日集まったのは「めだか村の会」の仲間たち。新しい村づくりを目指しているグループです。家や畑を貸してくれる人があまりいない目高ですが、好延さんは最近になって休耕田3反を借りることが出来ました。ここが新たな村づくりの第一歩。まずは邪魔な岩などを除き耕します。農業経験が全くない好延さん。仲間に助けられながら、目高の明るい未来を思い描いています。
皆田和紙は、室町時代より佐用町に伝わる高級和紙。皆田和紙保存会のメンバーである好延さんが、皆田和紙を持って向かったのは、目高生まれ目高育ち、今年100歳を迎えた浅霧健二さんのお宅です。書道が趣味の浅霧さんに、100歳の記念に何か書いてもらおうとお願いに来ました。真剣なまなざしで筆を手にする浅霧さん。目高のために奮闘する好延さんに、素敵な言葉をプレゼントしてくれました。
仲間とともに訪れたのは、めだか村の会のメンバー、片岡清次さんのお宅。こちらでお昼ごはんをいただきます。自家製のお米と野菜を使った片岡さん特製のカレーは口コミで評判が広がり、カレーショップをオープンすることが決まりました。片岡さんはさらに、自宅の隣にある古民家で農業体験型民宿も開く予定です。同じような気持ちを持つ人たちと力を合わせれば、相乗効果で夢が膨らんでいく、と話す好延さん。多くの仲間達と目指す新しい村作り、これから先が楽しみです!