本州最北端に位置する青森県大間町が舞台。天気の良い日には函館の街並みを望むことが出来るこの場所で民宿を営む米持豊さん(52歳)と妻のツネ子さん(49歳)ご夫婦が主人公です。47歳のとき早期退職し、故郷・大間町へとUターンした豊さん。大間自慢のマグロを使った料理を提供する民宿を始めたいと考えていました。しかし観光客の大半が大間崎に立ち寄るだけで、別の町に宿泊していることを知りました。「民宿を始めるのであれば、観光客が楽しめる宿にしたい」と思い、実家を建て替え2007年8月“体験型民宿 葵”を開業。漁師と民宿。二束のわらじを履きながら毎日頑張る米持さんご夫婦です。
大間と言えば、やっぱりマグロです。冬にかけてこれからが旬のマグロ。
10月末からは豊さんも親戚のはえ縄船に乗り込みマグロ漁へと向かいます。心が躍るマグロ漁。果たして今年はどれだけの大物があがるのでしょうか。豊さん、頑張ってください。
“体験型民宿 葵”では津軽海峡の海の幸が味わえます。夕食にはマグロを中心とした刺し身の盛り合わせ、イカやホタテ料理などが並びます。初めて“葵”を訪れたお客さんは「これで『大間のマグロをちゃんと食べた』と自慢できる」と大喜びです。
早朝4時半。豊さんの1日が始まります。漁船に乗り込み昆布漁へ。“マンケ”というかぎ状の道具を使い、海底の昆布を取っていきます。かじを取りながらマンケの上げ下げを繰り返す豊さんの表情はまさに漁師そのものです。
豊さんが取ってきた昆布を干し場へと運ぶのはツネ子さんの役割。昆布が飛ばないように根元を風上にして1枚ずつ並べていきます。この昆布干しは“葵”のお客さまも体験できます。昆布の収穫量は減ってきていますが、親戚総出で助け合いながら作業する姿は今も昔も変わらない大間の風景です。