自然豊かな山里、兵庫県丹波市が舞台。2006年に恐竜の化石が発見されたこの地で“古民家カフェ 恐竜樂樂舎(きょうりゅうらくらくしゃ)”を営む太田誠さん(60歳)と妻の美智子さん(66歳)が主人公です。神戸市から通いながら4年かけて古民家を修理したご夫婦は、早期退職の後、去年3月に移住。翌4月、納屋でカフェを始めました。新しい土地での慣れないお店の仕事・・・、てんやわんやの毎日です。直面した理想と現実の違いに戸惑いながらも前向きに試行錯誤を続けるピッカピカの楽園一年生をご紹介します。
地元のパン屋さんから仕入れる天然酵母のパンを使ったサンドイッチ。メニュー名は“モーニング”ですが営業中はいつでも食べられます。少しでもお客様に喜んで欲しいというのが料理担当の美智子さんの思い。コーヒー豆を自家焙煎する誠さん、炒りたて挽きたてがカフェのこだわりです。「お客様が3人以上来ると大慌て」と苦笑する誠さん。お客様をお待たせしてしまうことも度々です・・・。
現在の客数は一日10名程。今のままでは経営が困難です。お二人は丹波に移住してそば屋“大名草庵、(おなざあん)”を開いた西岡さんご夫婦を訪ねました。4年前に人生の楽園に登場したご夫婦です。美味しい“鴨汁そば”を頂いた後、貴重なアドバイスも頂きました。西岡さんは「大事なのは新メニューの開発。そして、お客様と一緒に自分達も楽しむこと」だと教えてくれました。
楽園の先輩からのアドバイスを実行するご夫婦。料理の開発に燃える美智子さんは、農家でフードコーディネーターの宮アさんを訪ねました。収穫したての野菜を使って料理を教えてもらいます。この日作ったのは“白菜のかき揚げ”。塩もみして水分を切り、米粉の衣でカラッと揚げるのがコツです。一方、誠さんはお店で落語会を企画。道の駅にチラシを置いてもらい、宣伝活動に励みます。
落語会の日、お店に沢山のお客様が来て下さいました。40人の大入りです。落語家が高座に上がり、客席が笑い声に沸く中、厨房では美智子さんが“白菜のかき揚げ”を大急ぎで揚げていました。
なにしろ40人分の料理、間に合うでしょうか!?勿論、今日もてんやわんや。カフェを開業して一年、挑戦を続ける太田さんご夫婦の第二の人生は希望に満ちています。