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【2月25日放送】
楽園の住人
如月の四 青森・八戸市
~ミニチュアで描く故郷の風景~

舞台は港町・青森県八戸市。ミニチュアで街の風景を再現している雫石明代さん(44歳)と夫の仁さん(46歳)が主人公です。明代さんが粘土で魚や地元名物の南部煎餅などあらゆる小物を作り、仁さんは木工の建物で明代さんをサポート。題材はすべて八戸で、実際にある場所や建物など、故郷の風景をミニチュアで再現しています。
13年前、しばらく離れていた故郷に戻ったご夫婦。以前と違い、閑散として静かになった街の姿にショックを受けます。趣味でミニチュア作りをしていた明代さんは“活気ある八戸をミニチュアで蘇らせたい”と、2005年に「ミニチュア工房ちびっつ@」を立ち上げました。その思いに共感した高校教師の仁さんも、ボランティアで応援することに。
八戸市は、東日本大震災で被災した地です。約1年が経ち、ご夫婦は八戸をミニチュアで再現することに大きな意味を感じています。身近には苦境を乗り越えて頑張る地元の人々や、“八戸を元気にしたい”と町おこしに奮闘する仲間たちもいます。これからも仲間との絆を大切に、大好きな八戸のために作品を作り続けて下さい!

明代さんが仁さんの協力を得て生み出す、ミニチュア作品。大好きな故郷・八戸の空気感を小さな作品で再現することで、内外にアピールしたいという思いが込められています。こちらは、寒さ厳しい冬の露店を表現した作品。お店の方が凍った雪を砕いて、店の脇によけて営業している様子です。この雪も、もちろん手作り。“生まれ育った所だから、思い入れがありすぎて・・・”とおっしゃる明代さん。大切な故郷、そしてたくさんの思い出をミニチュアにして、多くの人に見てもらいたい。そんな風景が沢山あるんです。

ご夫婦の作品に、大作「片町朝市」があります。八戸市に実在する通りに、ずらりと露店が並ぶ風景をまるごと再現したもの。実物の24分の1の大きさです。
残念ながらこの朝市は無くなってしまいましたが、作品からその風情を感じ取ることが出来ます。ミニチュア作品の中に人の姿はありませんが、お店のおばあさんが座る椅子にひざ掛けやマフラーが置いてあったり、飲食スペースに飲みかけのコーヒーがあったり。ご夫婦のミニチュアを見れば、八戸の人々の生活がじわりと伝わってきます。

乾くと固まる“樹脂粘土”を使って作る、明代さんの代表的な作品。それはあらゆる八戸の郷土料理を再現したミニチュアです。代表作と言えるのが、南部せんべいを鍋に入れて食べる「八戸せんべい汁」のミニチュア。6年前、八戸で始まったB級グルメの祭典「B-1グランプリ」の会場に、明代さんは自作の作品を持ち込みました。当時参加した、全国10ヵ所のB級グルメを小さく再現した物です。これがきっかけで「ちびっつ@」が地元の人に知られるようになりました。

明代さんと同じく、八戸を元気にしたいと頑張る仲間たち。B-1グランプリの発案者で、郷土料理で町おこしをする「八戸せんべい汁研究所」の木村さんと、地域マガジンを発行する外和さんです。お二人が明代さんを連れて訪れたのが、南部せんべいを作る「ザイケ真幸堂」。東日本大震災の津波で、存続の危機に陥ったお店です。直後に駆けつけた「せんべい汁研究所」のメンバーは、ヘドロをかきわけ、片付けを買って出ました。“お陰で店を再開出来た”と、店主の在家さんは語ります。明代さんも応援の意味を込め、せんべいのミニチュアをプレゼント。在家さんは感動して下さいました。

仁さんは、地元高校の数学教師。授業が始まり、箱から何やら取り出したのは・・・。なんと自作のミニチュア!テーブルや椅子、食器棚などが配置された部屋を再現した作品です。その全く同じ部屋が、違う大きさで3つ。一見、数学とは無関係のようですが、実は空間の体積比を分かりやすく教えるために作った特別教材。仁さんならではの楽しい授業に、生徒さんも興味津々です。生徒さん、そんな雫石先生のことを親しみを込めて「しずくちゃん」って呼んでいるんです。

ある日、八戸漁港を訪れた雫石さんご夫婦。ここも大震災の津波で大きな被害を受け、未だ爪痕が残っている場所です。漁港の建物は一部を残し、取り壊すことが決まっているそう。お二人は、この建物をミニチュアにして、震災前の状態を再現しようと考えています。更に、建物だけでなく、漁港から見える湾内全体の風景を作りたいと言うお二人。“何年かかっても、海と共に生きてきた八戸を表現したい”それが明代さんと仁さんの夢です。時の移ろいと共に変わっていく風景を、ミニチュアで残す。それはお二人にしか出来ない、素晴らしいことです。

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陸奥湊駅前朝市

八戸の風物詩といえるのが、新鮮な地元の味が並ぶ朝市。
市内には数多くの朝市があり、中でもこちらは、鮮魚が中心で人気のある朝市です。
その場で買った新鮮な刺身や焼き魚などを、食堂で食べることも出来ます。
朝ご飯が食べられるのは午前11時頃まで。朝早く起きて、食べに来る価値ありです!

電話:0178-33-7242
開催時間:午前3時~昼頃
 (食堂の営業は5時~11時頃まで)
定休日:日曜 第二土曜 年始

八戸ポータルミュージアム はっち

2階の観光展示フロアには、雫石さんご夫婦が通り全体を再現した大作「片町朝市」が展示されています。
他にも明代さんが作った、八戸の郷土料理のミニチュアがたくさん!
また1階では地元の方々が生産する、様々な土産品を購入することが出来ます。明代さんが作る、郷土料理のミニチュアもこちらで販売しています。

電話:0178-22-8228
開館時間:午前9時~午後9時
休館日:第二火曜 12月31日 1月1日

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