秋田県の北端に位置する秋田・藤里町が舞台。
2009年に「おかし工房えすぽわーる」をオープンした菊地整さん(56歳)と夫の洋一さんが主人公です。一人暮らしを送る洋一さんの母を心配し、藤里町へ頻繁に通っていた菊地さんご夫婦。藤里町で何かしたいと考え、自家製のそば粉でお菓子を作ることになりました。
整さんが作るそば粉のお菓子は好評で、地元の土産として購入していく人が増えてきました。
さらに、お店を始めてから知り合った仲間が、お菓子の材料にと珍しい食材を持ち込んでくるなど、地元からも応援され始めています。
町の銘菓を目指して、美味しいそば粉菓子を作り続ける菊地さんご夫婦の物語です。
「えすぽわーる」の一番人気は、しっとりとした食感でそばの風味と生クリームの程よい甘さが人気を呼んでいる「そばっこロール」。そばの風味を消さないように生クリームに拘り、自家製のそば粉で丁寧に焼きあげることが美味しさの秘訣です。
お菓子に使われるそば粉は、経理担当で夫の洋一さんが栽培しています。洋一さんはまだ秋田市で勤めているので、週末しか藤里町へ来ることができませんが、助けてくれる仲間の協力もあり、今年もお菓子に使うそばの実が無事に収穫できました。
洋一さんが収穫した新そば粉を使ってのマドレーヌ作り。これまでに何度か試作しましたが、上手く作れませんでしたが、今回はこれまで以上に美味しい焼き上がり。この冬からマドレーヌも、お店のレパートリーに加わることになりました。
この日は、「えすぽわーる」の開店2周年を祝う会が開かれました。集まったのはそば作りの仲間や食材の提供者などお世話になっている皆さん。秋田名物のきりたんぽ鍋を囲んで、それぞれの想いを夜遅くまで語り合いました。どうやら皆さん、菊地さんご夫婦が早く藤里町に帰ってくるのを心待ちにしいるようです。
店の存在を町の人に知って貰おうと、今年から近所の総菜屋さんと始めた「あおぞら市」。この日で6回目の開催です。常連のご近所さんが団体でやって来るなど、いつも以上のにぎわい。少しずつですが、えすぽわーる自慢のそば粉菓子の味、知って頂きました。