舞台は和歌山県有田川町。2008年に大阪から有田川町へ単身で移住し、就農した髙嶋一さん（60歳）が主人公です。かねてから食の安全に興味があった一さんは、会社を早期退職し不耕起栽培で野菜作りを始めました。不耕起栽培とは、田畑を耕さずに農作物を栽培する農法で、成長が遅く時間はかかりますが、味の濃い野菜ができると言われています。農薬や肥料を使わないので、一さんは畑に通い野菜の成長を見守る毎日です。今の目標は野菜の収穫量を更に増やし、宅配販売契約のお客様を40軒にすることです！妻の睦さんが移住して来る日を待ちながら、一人で頑張る一さんです。
20年以上の間、休耕田だった9段の棚田が一さんの農園です。草が生い茂り何の野菜が育っているのかよく見えませんが、年間50種類以上の野菜を栽培し収穫しています。野菜以外にも自家消費用のお米を作り、去年は40ｷロの収穫でしたが今年は4倍の160キロの収穫を目指しています。
野菜の収穫後、家に戻り直ぐに始めるのが、年間契約しているお客様への宅配準備です。今回送る野菜はジャガイモやレタス、ニンニクなど6種類。現在はまだ6軒だけの契約ですが、目標にしている40軒の契約を目指して美味しい野菜作りを続けています。
口コミで契約が増えるといいですね。
一さんの田植えが終わった夜。ご近所さんが集まり、ご馳走を食べながら田植え終わりを祝う「田植え休み」が行われました。
集まってくれた12人のご近所さんは、一人暮らしの一さんを普段から何かと気にかけてくれています。一さんが移住して来たことを、ご近所の皆さんは本当に喜んでくれているんです。
月に一度、一さんは家族が待つ大阪の自宅へ帰ります。この日は子供たちが外出中のため睦さんと二人だけの夕食です。食卓には一さんの大好物、ブリの照り焼きが･･･。実は帰った時に是非食べたいと事前に電話でリクエストしていたんだそうです。普段は離れて暮らしていても、本当に仲の良いご夫婦です。
奈良県で行われている赤目自然農塾では、自然のまま作物を育てる農法を確立した川口由一さんが不耕起栽培を指導しています。
ここは、一さんが農業のイロハを学んだ場所。和歌山で就農した今でも、更に美味しく安全な野菜を作るため、月に1度自然農を学びに通い続けています。
