【7月30日放送】過去のバックナンバー
楽園の住人
文月の伍 山口・岩国市
〜夫婦が作る ちいさな和の世界〜

風情ある城下町・山口県岩国市で、ミニチュア作りに取り組む島木英文さん(60歳)と啓子さん(63歳)ご夫婦が主人公。自宅が工房になっており、その名は「カサ・デ・トンタ」。そこに並ぶ作品を見ると、リアルな出来に誰もがびっくり!英文さんが作るのは、日本家屋をモチーフにしたミニチュア。特徴はすべてが木の箱に入っていること。作品は「箱舞台」と名づけられ、正面からのぞいて見ると・・・。例えば、昭和20年の農家を再現した作品。手前に精巧に出来た囲炉裏があり、奥には畳の間と庭の景色。箱の大きさ以上に奥ゆきを感じさせる不思議なミニチュア。そこには、英文さんがかつて建築士として働いていた経験が活かされていました。まるで魔法の様な技で再現された、小さな小さな和の世界。その驚きの世界を制作工程も交えてご紹介します。

箱舞台をのぞくと、なぜか奥行きを感じる英文さんのミニチュア。その秘密は、透視図法を使っているから。建物も小物も、奥ほど小さくなっていて、遠近感が強調されているんです。だから作品を上から見ると台形。この手法を使ったミニチュアは珍しいそうです。必ず実物の建物の事前調査を行い、その計測を元に設計図を作成。建築士だった頃の経験が活かされています。

英文さんの新作は、鳥取市にあった布団屋さん「高砂屋」。英文さんはピンセットを使っての作業で苦戦中。その先端には幅0.5ミリの木材・・・。  何と幅15ミリの神棚を制作中、屋根に0.5ミリの垂木を貼り付けてました。「下からのぞくと見える!」と言う英文さんに対し「見えない」と啓子さん。何度もチャレンジし、見事に垂木を付ける事に成功しました。しかし正面からのぞいて見ると・・・結局見えませんでした!でも見えない所も決して手を抜かない。その姿勢が作品のリアルさにつながっているんです。

夫婦での夕食。英文さんは食事の前に必ずしなければならない事があります。それは、インスリンを打つ事。32歳の時、過労で突然倒れ、意識不明に。それが原因で“1型糖尿病”を患い、以来病気と向き合いながら生活しています。「体が動く限り、一つでも多くの作品を一生懸命作りたい」英文さんは、そんな思いでミニチュア作りを続けています。

ご夫婦はミニチュア作りの原点・柳井市に出掛けました。日本家屋シリーズを制作するきっかけとなった場所です。立ち寄ったのは、ミニチュアを作った明治23年創業の「重枝醤油店」。ミニチュアのお店には醤油をはじめ、様々な商品が並んでいます。英文さんはお店の方に頼んでラベルや包み紙を頂き、一点一点縮小することで忠実に店内を再現しました。英文さんはこの苦労があって今があると言います。これをきっかけに、和の風景にこだわった作品を作り続けています。

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風情ある城下町・岩国市。そのシンボルと言えば名勝・錦帯橋。江戸時代に考案された橋ですが、今でもその技術の高さを伺い知ることができます。
また、この時期は錦帯橋のたもとで鵜飼を見る事ができます。間近で見たい方は、遊覧船も出ていますのでご利用下さい。
お腹がすいたら、岩国寿司はいかがでしょう。酢飯とたっぷりの具材を、交互に重ねて押し固めた伝統料理。実演をしてくれるお店もありますよ。
岩国市の観光情報は、観光振興課までお問い合わせください。

岩国市の観光情報は・・・
岩国市観光振興課
TEL:0827-29-5116
時間:午前8時30分〜午後5時
平日のみ

鳥取ドールハウス展

主人公、島木さんご夫婦のミニチュア作品“箱舞台”が展示されています。新作の布団屋さん「高砂屋」も初お披露目です。
他にも、有名作家5名の作品が見られます。それぞれに個性あるミニチュアが勢揃い。小さな小さな世界をお楽しみ下さい。
お問い合わせ先はこちら。主催の新日本海新聞社事業課まで。

会場:鳥取市歴史博物館
住所:鳥取市上町88
8/21(日)まで開催
開館時間:午前9時〜午後5時
(入館は午後4時30分まで)
*8/15(月)以外の月曜日休館

問合せ先:新日本海新聞社事業課
TEL:0857-21-2885
時間:午前9時〜午後6時(平日のみ)

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