さわやかな風が渡る緑豊かな信州の高原が舞台。小諸市の御牧ケ原台地を終の棲家と定め、2008年に移住した塚本良助さん(64歳)と妻の千里さん(60歳)が主人公です。田舎暮らしを第二の人生にと思い描いたのは千里さん。良助さんは元警視庁勤務、仕事一徹の警察官でした。長年、子育てを任せていた妻への感謝・・・定年退職後、良助さんは千里さんの夢に寄り添うことを決めました。そんな良助さんも今ではすっかり新生活を満喫中。塚本さんご夫婦の営みの中に田舎暮らしを楽しむためのヒントを見つけました。
移住前は茨城県土浦市で暮らしていた塚本さんご夫婦。空気と水が美味しいこと、畑があることなどを条件に理想の地を探しました。近くに温泉があることも条件の一つ。温泉が好きな良助さん、信州の山々を眺めながら露天風呂を堪能しています。新しい生活を始めて間もない頃、過労が原因で倒れてしまったという良助さん。田舎暮らしのコツはがんばり過ぎないことだと教えてくれました。
初夏、ご夫婦が心待ちにしていること・・・それは近所にある桑の木の実が熟すことです。散歩の途中に実り具合を確認。実の色が黒くなったら採りごろです。千里さんは収穫した桑の実でジャムを作ります。手作りジャムは朝食に欠かせない一品。自家製のパン、家庭菜園で育てた野菜などと共に食卓を彩ります。季節に合わせて収穫した土地の恵みは都会では味わえなかった醍醐味です。
田んぼで作業しているのは「アイガモ隊」の皆さん。アイガモ農法のアイガモを真似て人間が手作業で田んぼの雑草を取ろうと結成されたボランティアグループです。塚本さんご夫婦もそのメンバーに加わって米作りを手伝っています。小諸市、佐久市、東京などから集まったアイガモ隊員の皆さん。根気のいる作業も皆で楽しみながら!これも田舎暮らしを楽しむコツの一つです。
ミズナラの木々に囲まれた塚本さんのご自宅。心地よい木漏れ日が溢れる庭はご夫婦が手入れしながら作ってきました。石垣や小道もお手製です。良助さんが作ったガーデンテーブルは隣の畑のおじいちゃんおばあちゃんのお気に入り。おばあちゃん手作りのお茶うけを並べてテーブルを囲む、何とも幸せなひと時です。4年目を迎えた憧れの田舎暮らしは爽やかな笑顔に溢れています。