千葉県佐倉市で、新庄毅さん(67歳)、新庄悦子さん(60歳)ご夫婦が開いた“新庄農園”。農薬や化学肥料を使わずに育てた、味の濃い野菜が自慢です。お二人は“顔が見える農業”を目指し、契約したお客様だけに、朝収穫した野菜を直接届けています。野菜ソムリエの資格を持つ悦子さんが、野菜と共に届ける“野菜料理レシピ”も大人気です。家庭菜園からスタートし、定年後に農家となって4年。お客様に美味しい野菜を届けるためなら、雑草も虫もなんのその!新庄さんご夫婦が我が子のように大切にする野菜たちが、今日も太陽のもと、すくすく育っています。
農薬を使わずに4200坪の畑を耕す毅さん。自然相手の作業のため、毎週月曜日の配達にあわせ、食べ頃の野菜をそろえるのは、とても難しい事なんです。食べ頃の野菜が病気や虫にやられてしまったり、どんどん育った野菜が巨大化してしまったり・・・。それでも、“有機野菜の美味しさを知ってもらいたい”と手間を惜しまず、野菜に愛情を注ぐ毅さんです。
新庄農園を始めてから、野菜ソムリエの資格を取得した悦子さん。毅さんが丹精込めて作った野菜たちを、少しでも美味しく食べてもらいたいと、野菜料理のオリジナルレシピを作っては、配達の時に届けています。大きくなりすぎた野菜だって、悦子さんにとってはレシピ作りのための大切な材料。夕飯に並んだ新メニューは、毅さんと、息子の亮太さんが試食。家族みんなで新庄農園を盛りたてています。
月曜日。週に1度の野菜配達日です。朝とった野菜を夕食の時に食べてもらおうと、毅さんは朝早くから作業を始めます。“我が子を嫁に出すような気持ち”で1つ1つ大事に箱に詰め、お客様の元へ。1軒1軒、野菜や畑の様子をお話しながらの配達なので、全てのお宅を配り終えた頃には、あたりは真っ暗です。それでもお客様の“美味しかった!”という声を聞けば、翌日も朝から畑作業に精が出ます。
この日、新庄農園にお客様がやって来ました。以前から新庄農園の野菜に興味があったと言う安藤さん親子と、お友達の澤野さん。野菜が大好きと言う3歳の陽(ひなた)くんは、キュウリやトマトをそのまま、まるかじり!新庄さんご夫婦は、自分達がどんな風に野菜を育てているか見て頂いた上で、野菜を食べてもらいたいと考えています。新庄農園が目指す“顔が見える農業”の輪が少しずつ広がっています。