秋田県の大館能代空港に程近い北秋田市が舞台。主人公は41年ぶりに故郷にUターンし、陶芸とお花の教室「夢叶庵(むきょうあん)」を開いた関義孝さん(61歳)と芳子さん(67歳)ご夫婦です。
東京都庁に勤務していた義孝さんは趣味で陶芸を始めました。
老後には、故郷の北秋田で工房を開く夢を持ちます。
そんな義孝さんに転機が訪れたのは2008年。母・ヒデさんが末期ガンを患い、介護のため帰郷することに。定年の一年前のことでした。
息子の焼き物を愛用し、陶芸教室の誕生を心待ちにしていた母のため、義孝さんは陶芸の工房作りをスタート。ヒデさんの亡くなる1カ月前に完成、2010年3月に「夢叶庵」をオープンしました。
義孝さんの作品の多くは芳子さんが華道教室で使う花瓶です。今回、大豆の茎や葉を焼いて混ぜた釉薬を使い、風情ある色味のコーヒーカップと壷作りに挑戦しました。焼き上がりの色に100%の満足はできませんでしたが、義孝さん、新たな作品作りのヒントをつかんだようです。
義孝さんの陶芸教室は週2回。現在8名の生徒さんがいらっしゃいます。
和気あいあいとした雰囲気の中で、陶芸を基本から教えてもらえます。
皆さんも、世界に一つのオリジナル作品を作ってみてはいかがですか?
華道緑葉式の家元である芳子さんの華道教室は月2回。生け花やフラワーアレンジメントを行なっています。庭にある旬な花材を使い、義孝さんの花瓶に生けます。授業の終わったあと、義孝さんが飛び入りでお茶を立ててくれることもあります。
秋田には「結い」という、ご近所が助け合う習慣が今も根付いています。
この日は義孝さんの田植えを共同で行ないました、そして、皆さんを招いての慰労会。その時に振舞われる秋田名物の“きりたんぽ鍋”は絶品です。
本格的な田舎暮らしを始めた義孝さんと芳子さんに、ご近所さんから熱いエールが送られました。
ご夫婦の朝の日課は畑仕事です。農業の基本を知らず失敗の連続だったことから、ご近所の農家の指導を仰ぐことにしました。大豆、人参、ジャガイモ・・・今年こそ、たわわに実った野菜が収穫できる事を願っています。